何かを期待されるということは、当人たちにとっては相当なプレッシャーなのかもしれません。鳴り物入りで始まった、ロンドンオリンピックの男子体操予選で鉄棒から次々に落下する選手を見ていると、なにやら胸が痛くなる。金メダル候補とマスコミに持ち上げられた柔道選手が、実際には5位に終わった試合では日本からの過酷な代表選考のプロセスを知っているので言葉を失う。敗戦後のインタビューで「これがオリンピックなんだと思います」とだけしか答えなかったほど、世界のハードルは高く、栄光への入り口は狭い。ぬくぬくとした【国内基準】では、こじ開けられないものなのかもしれません。
女子サッカーの予選第2試合目は、ノルウェー戦でした。世界ランキング3位の日本と4位のノルウェーとの試合ですから、見応えは十分でした。個人の力では西欧人に劣る日本チームは、男女とも組織力で戦う以外に道はありません。
組織力で何度も敵のゴール前へなだれ込む姿は、圧巻でした。しかしながら、最後の決め手を欠き、得点をあげることはできませんでした。戦いに参加せず、観客席やテレビの前で勝手な評論は慎むべきです。しかしながら、90分を見終わって感じたのは、「組織力の弊害」です。
「今撃てば!」
というシーンが少なくありませんでした。特に日本チームのミドルシュートの本数が極端に少なかったため、相手方のデフェンスがゴール前まで楽に下がることができて、結果的に堅い守りをさせてしまいました。
「今撃て!」
というのは、選手個人の判断です。「パスではなく、今撃つ!」という判断は、たいそう[勇気]が必要でしょう。外せば、何を言われるかわからない。できればパスを出し続け、誰かに最後を決めてもらいたい・・・。
さて、選手にそんな思いなど微塵もなかったと思います。しかし、ゴール前までパスをつなぐ姿に何やら「組織力の脆弱さ」を感じてしまいました。入らなかったら二の矢、三の矢で補うとして、とりあえずシュートをぶち込んでみる!という「ラテン」な戦いもあったかも・・・・。
誰かに任せるのではなく、とりあえず「自らシュート」を撃ってみる!!??