組織活性化コラム

知らないあなたが悪いのよ!


    数年前、「イオン」のある店舗で【店舗活性化活動】の仕事をさせてもらった。

    事前調査から初期の打ち合わせ段階で気付いたことがあった。
    「掲示物」がやたらに多いのである。関係者通用門から、事務所に向かう2階通路に、延々と「掲示物」がかけられている。その量は、半端ではなく、ものによっては3,4枚が重ねて掲示され、めくらなければ読めない仕組みになっていた。

    「読まないあなたが悪いのよ、っていう仕組みになっていませんか?」

    店長や統括マネージャーに、早い段階で「掲示物」の見直しをお願いした。当初、皆さん頭を抱えられたのではないか。何しろ全従業員数が700人を越えるのです。おまけに「社員」「コミュニティー」「専門店」「協力会社」など横の区分も細かくなされている。その相手別に連絡体制を整えることは容易なことではない。
    それでも私はこう言わせてもらった。

    「知らないあなたが悪いのよ、という仕組みは、仕組みではない!」

    通達する側には、「張り出したのだからいいだろう」という思い込みがある。必要なことは伝えた。後は君たちの問題だ、というわけです。しかし、全部に目を通すだけで40分近くかかる「掲示物」は、やはりおかしい。おまけに「本部」から流れてきた売り上げや達成の【データ】は、そのままの様式で張り出され、字が細かくて、すでに「老眼」の入った私など読めそうにないくらいに小さく、とてもみんなに読んでください、目を通してくださいという状況ではない。
    「読んでほしいのならば、絶対に読まなければならない部分をまず教えましょう。その際、読みやすい様式に拡大するなり、マーキングするなりしてください。それでもなお、読んでいなかった関係者は個別に読んでいない理由や読む必要性を再度教えましょう。そうしなければ意味がない」
    イオン九州の中でも、優秀なスタッフをそろえていたその店舗の理解と動きは素早く、あっという間に「掲示物」は3分の1くらいに減った。

    「社内のネットワークに書いてあったでしょう」
    「掲示板に張ってあったでしょう」
    「会議の時に言ったでしょう」・・・・・

    【知らないあなたが悪い!】のか、【教えないあなたが悪い!】のか。
    自分たちの組織の中に、こんな仕組みは残っていませんか?

    「知らないあなたが悪いのよ!」

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