組織活性化コラム

2つの「戦い」

    新年早々の講演の仕事があって、淡路島へ出かけてきました。
    ある企業の「初出式 新春講演」の講師です。朝9時からの講演なので、淡路島へ前泊しました。講演のタイトルは「新興国の猛追を受けて ~勝ち残る人と組織を考える~」というものでした。精密機械の製造系企業なので、実際の体感として「新興国」の勃興に危機感を抱いておられるようでした。200人ほどの方々を前にして1時間半ほど講演をしました。

    すでに昨年末、本コラムに書いたように、2011年のブラジルのGDPは英国を抜いて世界第6位の経済大国へ変身しています。薄型テレビ市場では日本企業は連戦連敗で、白物と呼ばれる家庭用電化製品の市場でも大幅にシェアを落としています。
    【BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)】といった直接的なライバルだけではなく、【VIST】や【NEXT11】、【CLMB(カンボジア・ラオス・ミャンマー・バングラデッシュ)】の経済成長の背景をお話して、組織としてどのように備えなければならないかという組織活性化の説明をしました。

    講演前に、社長様が
    「実際のエンドユーザーは海外の方々になるのだけれど、実感として社員にその意識が薄い。日本は島国で、なおかつ淡路は島なので二重に感覚が鈍っているようです
    と言われました。思わず
    「九州と同じですね」
    と言ってしまったのは、意識に関していえば、多くの地方でそうした傾向があるからです。右肩が上がっていた時代の成功体験が強烈過ぎて、新しい時代や仕組みが想像しづらいのです。
    「九州は、東京しか見ていません・・・」
    とぼやいてしまったのは、年末にまだ「東京モデル」にこだわっている経営者と話をしたからでした。今時、東京に地方が参考に出来る新しい「ビジネスモデル」があるわけはないのに、いまだ「東京信仰」が忘れられないようで・・・。

    淡路島は、日本神話によれば、真っ先に生まれた「島」です。高速バスでそんなことを思い出しながら瀬戸内の海を眺めながら、「2つの戦い」について考えました。

    ひとつは「外部の敵」です。当然、個人も組織もライバルがいるわけで、常平生それを意識して戦わなければなりません。ネットワークを作り、組織の中で知恵を出し合い、情報を共有して「外部の敵」と戦います。
    もうひとつが「内部の敵」です。いわゆる個人や組織の中に潜んでいる、無関心や無責任、あるいは言い訳などです。自省を込めて言わせてもらえば、これがなかなか厄介な敵で、私などいつもこの敵に倒されている。「内部の敵」は形がないので、すぐに【妥協点】を探してしまう。
    「景気が悪いので・・・」
    「組織が小さいから・・・」
    「ちょっと体調が悪くて・・・・」
    「しょうがないなぁ・・・・」
    「まっ、いいか・・・・}
    油断をすると、自分の中が【言い訳】だらけになってしまっている

    2012年のテーマのひとつは、この「2つの戦い」なのかもしれません。
    組織の「意識」を変える、ということも、また「内部との戦い」なのかもしれません。

    ミツテックの皆さん、ありがとうございました。
    2012年も頑張りましょう。

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