組織活性化コラム

「ゆとり世代」の嘘?本当!

    いよいよ、ロンドン五輪も最終日。あっという間の17日間でした。
    8歳の時(昭和39年・1064年)、東京オリンピックが最初に観たオリンピックですが、何やら今回のオリンピックが一番面白かった。毎夜、睡眠時間を削りながら、フラフラになりつつ、アスリートたちの姿を追いかけました。この時期、この歳で、睡眠時間が短いのは命にかかわるのですが、まぁ次回のオリンピックを見られる保証もないので「同時代」を認識するために頑張ってみました。

    昭和60年(1985年)と平成11年(1999年)の2回に及ぶ「男女雇用均等法」から20数年を経て、日本の女性たちが成熟し、世界にその力を見せつけた大会でもありました。
    「日本の女性が強くなりましたねぇ」
    とニュースキャスターが問いかけた時、女子マラソンの銀メダリスト・有森裕子があっさり
    「日本の男性が弱くなったんでしょう」
    と答えたのに、思わず頷いてしまいました。

    個人的に、今回のオリンピックにはまってしまったのは、理由がありました。参加している日本選手たちの多くが「子供の世代」と重なっているのです。今年24歳と22歳になる子供を持つ父親としては、何やら選手たち頑張っている姿に素直に感動したりして・・・・。

    いわゆる「ゆとり世代」と呼ばれる年齢層があります。
    おおまかに言えば「1988年(昭和63年)〜2000年(平成12年)」あたりに生まれた子供たちのことです。1988年(昭和63年)生まれの世代は今年24歳です。体操の内村航平が1989年、卓球の福原愛が1988年、テニスダブルスの藤井・垣岩 が1988年、1989年、競泳の入江陵介が1990年、鈴木聡美が1991年なので、彼らはそうした世代に属します。
    オリンピック開催当初、「柔道」が思ったような成績を残せなかった時、一部の意見として「ゆとり世代」「ゆとり教育の弊害」などという話が出ていました。メダル確実と言われながら、次々に負け、試合終了を待たずに畳の上で涙したり、記者会見で泣きじゃくる姿を見せられるとなるほどと考えさせられます。しかしながら、それをステレオタイプに「ゆとりの弊害」などと言い切れないのは結果が示しています。大切なのは「世代の違い」ではなく、「教育の方法」なのではないか。
    「なんか、柔道界の持っている教育の空気と、競泳界の空気は随分違うような気がしますね。柔道界が前近代的な徒弟制度や精神論で出来上がっているのに対して、競泳界は自由と合理的な考えがあふれていてマネジメント力がありそうな気がしますね」
    そんな話を何度か聞きました。
    「最近の若い連中は、ゆとりですからどうしようもありません」
    という話をする経営者もいます。
    果たしてそうなのかどうか、考えさせられる夏でもあります。

    同時に、女子マラソンの金メダリスト・高橋尚子が、ロンドン五輪の女子マラソンの結果を受けてこうした発言をしていました。
    「「ここ(五輪)に来るまでに自信をつけてもらいたい。 あくまで私の意見だが、スピード(強化)に重点を置いて、練習量が少なくなったと思う。 (アテネ五輪金メダリストの)野口さんタイプの選手が少なくなったのかな」
    早い話
    「てめえら、練習が足らねえんだよ!」
    と言ってるわけで、普段ニコニコしている高橋のアスリートとしての本質の顔が見えます。これもまた噛み締めなければならない言葉だと思います。

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