組織活性化コラム

失敗の「背景」

    【失敗知識データベース】というサイトがあって、以前そのサイトで随分勉強させてもらいました。
    そのサイトにこうした分類がなされています。

    個人に起因する原因
    個人・組織のいずれの責任にもできない原因
    組織に起因する原因
    誰の責任でもない原因

    詳細はサイトを見ていただくとして、失敗時における「原因の追究」において案外ないがしろにされてしまうのが【失敗の背景】というものです。
    多くの場合、失敗を「原因と結果」という平面で捉えようとします。
    「何故失敗したのか?」
    「担当者が連絡をしなかったから?」
    そうした単純化された解釈で、最終的には「担当者の○○が悪い」という個人攻撃で終わることが少なくありません。
    それに対して「何故」を繰り返せ!という考え方があります。

    「何故連絡をしなかったのか?」
    「忙しかったから」
    「何故忙しかったのか?」
    「人員がひとりしかいなかったから」
    「何故人員配置がひとりだったのか?」
    「営業が沢山仕事を取ってくるから」
    「何故営業は沢山仕事を取ってくるのか?」
    「現場の状況を営業が知らないから」
    「何故営業は現場の忙しさを知らないのか?」
    「工程会議に営業が出てこないから」
    「何故営業は工程会議に参加しないのか?」・・・・

    そういう風に何度も【何故】を問いかけていくと、課題が立体的になり浮き上がり、真の原因が見えてくると一般的には言われています。
    しかしながらその何回にもわたる【何故】が、「背景」にまでたどり着くことはまれです。

    本当に突き詰めていくと
    「採用基準の問題」
    「採用頻度の問題」
    「情報収集能力の問題」
    「最新インフラに対する軽視」
    「上司の能力の問題」
    「システム構築の不備」
    などという根幹の仕組みに突き当たり、それをさらに突き詰めていくと
    「システムの旧式さ」
    「幹部の意識の低さ」
    「経営者のふらつき」
    「トップの思いつき経営」
    「会社の暗さ」
    「コミュニケーションのまずさ」
    「企業の体質」
    などという【社風】にまで行き着いてしまうのです
    そして、多くの「失敗」の根幹的原因が【背景】の中に潜んでいることに誰も言及しないのです。

    中小企業の場合、失敗の【背景】が「原因」を呼び込んでいることがあります。
    経営者や経営幹部は、そのことについて肝に銘じておかないと、いつまでも「堂々巡り」をしたまま、同じ場所にとどまってしまいます。

    関連記事

    TOP