組織活性化コラム

南風通信再録 異分子の役割

    こんにちは。戸敷進一です。
    ようやく冬の寒さが緩んできたような気がしますが、まだまだ油断は出来ません。「寒の戻り」という言葉があるくらいですから、体調管理には今しばらく気をつける必要があります。個人的には、先週、福岡を起点にして「横浜」「宮崎」「名古屋」と飛び回ったのですが、ひたすら体調が崩れないことを心が
    けました。年度末を前に、踏ん張らなければならない時期です。
    さて、社会心理学の分野に【集団浅慮】という言葉があります。「集団思考(しゅうだんしこう、英: groupthink)とは集団で合議を行う場合に不合理あるいは危険な意思決定が容認されること。集団浅慮と訳されることもある。Wikipediaより」
    一般的にさまざまな会議において、「凝集性(ぎょうしゅうせい)が高く、外部の情報が得られない状況で、強固な方針をもつリーダーが強い指導性を発揮する場合、同調への圧力、斉一性への圧力、集団分極化などが発生し、冷静な理に合致するとはいえない決定をくだすことがある」といわれています。
    実際に、多くの企業の「会議」に参加して痛感するのは「凝集性」です。つまり、ひとつの組織に所属している関係で同じような「業界常識」「組織慣習」「従来型思考」の持ち主たちでの発言は、驚くほど固定化されています。おまけに外部からの「情報」が不足しているので、それに拍車がかかります。
    ひと月に「300万円」の赤字を出している組織で、製造工程の見直しについて話し合っている最中に、専務が
    「この工程には7人必要だ!」
    と延々しゃべり続ける会議に遭遇したことがあります。素人ながら、時折質問をするのですが、「7人」という数字は譲らない。譲らないどころか、「足りない!」とまで言い始めます。周りの様子をうかがっていると、誰もそれに異議を挟まない。誰か議題を「300万円の赤字が出ている」という現実と当初の
    課題に戻ってくれないかと思うのですが、誰もそれを言い出さない・・・。
    私の立場は「オブザーバー」で、残念なことにその組織と十分なコミュニケーションが取れていない状態だったので、黙って話を聞くだけでした。後日、同業の方々に話を聞くと、「4人」くらいで回せるような工程でした。組織である以上、「凝集性」は重要なことです。同一レベルの共有する意識は必要です。しかしながら、その「凝集性」が仇になり、建設的な意見や、革新的な考えがまったく出てこないとすれば、この時代変化の激しいときに、そうした「会議」は命取りになりかねません。時に、会議には「異分子」が必要です。

    あるとき、こんな記事を見つけ、ひどく納得しました。
    「会議を始める冒頭に、あらかじめ【反対意見】を言う人間を指名しておく」という話でした。なるほど、上司が居並ぶ席上で、会議の途中で反対意見を切り出すのはかなり勇気が要ります。なおかつ、全員の意見がまとまりかけているときなど沈黙してしまったほうが賢い選択かもしれません。しかしそれをやるから【集団残慮】に陥るのではないか。それならば、最初から【反対意見】を述べるようにスペースを与えたほうが、会議に緊張感が生まれそうです。
    ユダヤの格言に「全員一致の会議はやり直し」というものがあるそうです。全員が同じ意見であるときは、会議が間違っている、というのです。記事を読みながら、その言葉も思い出しました。
    私はクライアント先の会議に参加するときは、「異分子」でいることにしています。「異業種」「他業種」「他地域」から見たときに、「おかしいのではないか?」といつも言い続けています。結果的に、私の意見が通らなくてもいいのです。「異分子」が押し黙るくらいの結果は、おそらく正しい選択なのだと思う
    からです。時に、コンサルタントは「嫌われ役」の役目も負います。

    さて、皆様方の会議の席上に「異分子」はいますか?
    「異分子」を座らせる勇気はありますか?
    戸敷進一でした。
    今週もお元

    関連記事

    TOP