とじき雑感

Seven Years ago

    その組織との出会いは「7年前」にさかのぼる。

     

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    組織とは呼べず、カリスマ性の強いワンマン経営者に率いられた組織でした。従業員たちは、とにかく働く。命じられたことはきちんとする。売上もそこそこあって、何とか利益は出ている。
    しかしながら【自主性】がない。組織の中から意見が上がってこない。何から何まで、経営者と専務が段取りをしなければ前に進まない。何よりも、そうした風土からは、人が育ってこない。ひとが育たないので、勢い自転車操業めいた「場当たり」的な動きの積み重ねになる。
    3年ほど前が一番苦しかったでしょうか。人が育たず、売上が伸びず、設備投資に見合った利益が上がってこない・・・。

     

    「あと24万円で、今月1000万円を超える」
    と、いきなり専務が言いました。
    「えっ!今月の売上、1000万?」
    「そう、今日(7月31日)24万揚がれば、1000万円!」
    「いつから売上1000万の店になったのさ?以前は800万円前後の店だったのに・・」
    何年か、経営会議に参加していたので、その店の売上や利益の数字に対してはきちんとしたイメージを持っていたので、思わず聞き返した。
    「「3月頃から良くなってきていたんだけれど、【5S活動】をもう一回やってからぐっと上がった。店に【一体感】がある」
    横から、部長がそう応えた。

    「人が、育ったね・・・」
    ふと、そんな言葉が口をついて出た。
    今回の「組織活性化活動」のリーダーやメンバーは全員が若い。前回の活動の時には「子供」だった世代が、今回は中核として【機能】したのでした。何しろ、7年が経つのです。25歳だった子が32歳。30歳だった子が37歳です。その辺りの世代が本気になって何事かに取り組んだら怖いものなどない。

     

    「次は、ベテラン世代の後継育成が課題かな?」
    私がそう話すと、専務が体を乗り出して、話し始めた。
    「そうなの、うちには育成という風土がない。見て覚えろ、という世界だから若手の技術力が上がってこない」
    「だって専務、そうした仕組がないんだから仕方ないよ。もう一度、意識を上げて、必要性を認識させて、仕組を作らなきゃ、ベテランは動けないよ。それに、若手側に、教えてもらわなければならない、という危機意識がなければ単なる会社からの押付になっちゃうよ」
    「明日の朝は、その話もしてよ!」

     

    明日の朝、8時半から「全体研修」です。新たなルールが出来上がったので、若手のリーダー・メンバーが直接内容となぜそのルールが必要だったかという理由を説明するのです。
    その後、私が1時間ほど話をする。

     

    「専務、ここまで来たよ」
    「やっとかな?まだまだかな?」
    「1000万円クラスの店になるとは思わなかった。その意味からすると、やっとだね。でも育ってきた次世代のことを考えるとまだまだかな」
    この7年間の紆余曲折と専務の獅子奮迅ぶりを知っているだけに、少々感慨深い言葉になってしまう。
    今回は私がメインコンサルで入っているわけではなかったのだが、それも良かっtのかも知れない。若いコンサルタントが若い世代と一緒に、いともたやすく【壁】を打ち破ってくれたような感じがする。

     

    Seven Years ago・・・
    7年をかけて、やっとここまで来た。
    そして、次世代からすると7年目でもまだまだということになる。
    組織が「成長する」とは、実に奥が深い。

     

    旅先のホテルにて

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