南風通信は、月に2回弊社が発行しているメルマガです。
昨年の秋にこんな文章を書きました。今月の「とじき塾」でのメインテーマになる【独自性】について書いています。もう誰かのモノマネでは間に合いません。誰かの後追いも意味がありません。
年明けに、再録してみます。
こんにちは。戸敷進一です。
一気に秋が進み、九州でも初氷(はつごおり)を観測しました。季節の変わり目です。皆様、ご自愛ください。
~本日の研修の中で印象に残った「言葉」「エピソード」「考え方」について三つ理由も添えて書いてください~
こんな文章を冒頭につけて、講演後に時間を取って書いてもらっています。講演に先立ち、なぜこんなアンケートを書いてもらうのかという意味をお伝えするので、アンケートには内容の濃いものが多くあります。
時代変化の速度が上がっていることは、どんな業種でも地域でも痛感していますし、世代を超えてそれにどう立ち向かえばいいのかを模索しています。模索している理由は、時代変化の「質」が変わってきているからです。
情報の取り方や発信の仕方、情報の分析と行動までの道筋、共に行動すべき組織の中の世代間対立や違和感など、今まで感じたことのない環境の中で戦わなければならなくなっているのです。
何よりも「客」の顔が見えにくい時代です。昔ならば、ご近所や同じ地域の人が「客」でしたが、現在は交通インフラと情報手段が整備されたため、「客」が多様化してしまいました。
その「多様化」に対応できないと「顧客」を失うという現実も目の前に迫ってきています。同時に「ライバル」の意味まで変わってしまいました。
地域や業種を超えて、県外からの企業や、ネットを使った異業の殴り込みも始まっています。売上が減っているという意味はこれらの複合が原因です。
こした動きの中で中小企業が「存続と発展」していくためには【独自性】が重要です。どこの地域でこんなことをしていがこうしているから、大手がやっていることを真似して・・・、などという以前なら当然のことが通用しない時代です。
右肩が上がっていた時に正しかったことが、間違いである時代なのです。【独自性】を獲得するには、まず「自分の言葉」が何より重要です。人の話を聴いて、何を感じるがということと共、「自分の言葉」でそれを表現する。「自分の言葉」を書き込むことから、何を始めるかを考えてもらいたいと思っています。
こんな理由を説明して、アンケートのお願いをすると、実に「多様な言葉」が並びます。思いもかけないほどの気づきを教えられることもあり、世代によっては新鮮な指摘も受けます。思ったより伝わらなかったり、研修に参加した方々の興味の傾向を知ることもできます。
旧約聖書の冒頭は「光あれ」で、新約聖書の冒頭は「はじめに言葉ありき」です。
何事かを考え、何事かを伝え、何事かをはじめるためには、「自分の言葉」が大切です。
ひとつひとつの講演の中からそうした言葉を見つけてもらえたらと願っています。
今週もお元気で。
戸敷進一でした。