3年前の文章なので、いささか内容に古臭さが滲んでいます。すでにみんなが忘れてしまったような名前が出てくる文章です。しかしながら、根底にある「おかしさ」に関する思いは変わりません。
「メディア」とどのように付き合うかは現代人にとって大切な基準です。ひと昔と比べて比較にならないような「量」の情報が奔流のように押し寄せてくるのです。入っていくる情報をきちんとコントロールするという能力も必要な時代になりました。
何しろ、自分の身は自分で守らなければ、誰も助けてはくれませんから・・・。
「風潮」に逆らう!
先月の終わり、さっぱり「史実」とは合わない【竜馬伝】を観て、苦笑いを浮かべながらテレビを切るタイミングを失ったまま、NHKスペシャルを観てしまった。
「無縁社会 『無縁死』3万2千人の衝撃」
というタイトルのドキュメンタリーでした。
すでに、ネット上では「ショックを受けた」とか「他人事とは思えない」という言葉と共に、大反響を呼んでいるようです。
実際にリアルタイムで番組を「眺めていた」感想としては、随分安易な番組のように思えました。ナレーションも、実際に話し言葉ではなく、随所で「字幕」を使う。テーマが「無縁死」なので無言を象徴させるためなのでしょうが、それにしてもその「後ろ向き」さは【異常】な感じでした。
「少子高齢化」という言葉を読み解けば【少産多死】ということで、多くの死が発生すれば「多様な死の形」は当たり前のことです。それをことさら「大げさに取り上げる」のはあまりにも「芸」がない。
「テレビ」や「新聞」などという従来のメディアは、本来「人の不幸」や「スキャンダル」そして「悲観な予測」に熱狂します。小沢問題にしても朝青龍問題にしても、酒井何某や押尾何某の薬物がらみも、CO2が原因とされる環境問題ですら、全てそうした基準で話題は作られていきます。
先日も、別の番組で「高齢者の犯罪」が増えている、という話題を「実に暗く」報道していました。高齢者が増えているのですから、相対的に犯罪者の年齢が上がるのは当たり前の話なのですが、そこはすっ飛ばして「暗く」「暗く」報道する。高齢者の交通事故が増えるのも同様なのですが、そこもまたすっ飛ばして「暗く」ニュースを作る。
問題なのは、その現実を踏まえた上での「次の一手」であることを隠すのは、言葉を変えれば【悪質】とでも言いたくなる。
決してメディアが「希望」を与えてくれるなどとは思わないことです。「希望」や「安らぎ」や「安寧」は自分で探し、感じるものです。同時に、「事実」も伝えてはくれません。
朝青龍が暴行を加えたといわれる人物がどういう人物であったか、従来のメディアは一切報道しない。押尾何某という人物が、なぜ当初逮捕されなかったのかという麻布に広がる闇のネットワークについてもメディアは触れない。有名国会議員の息子達が麻布で何をしていたかを十分に知りながらメディアは報じない。石川議員の逮捕に際して、石川議員の女性秘書に対して検察が行った愚劣な行為と、その後週刊誌メディアに出頭命令まで出したという検察のアナクロもまたメディアが取り上げることはない。
「新聞」と「テレビ」で信用していいのは【株価】と【気温】だけです。
その他は、「作られたもの」ですから・・・・。