朝刊の見出しに踊る【人口2年連続減】の文字の下に、【3月末時点1億2623万人】という数字を見つけ、思わずため息をついてしまいました。
この仕事を始めてから「人口問題」は最大の関心事で、ずっと数字を追いかけていたのですが、1億2700万人という「大台」をあっさり割ってしまっています。もちろん、外国人居住者の数字などが絡むと、今でも1億7000万人という数字が出てきたりするのですが、いずれにしても人口減少の大波は姿を現しているようです。
人口の増えているところは、わずかに7都県に過ぎません。(埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、滋賀、福岡、沖縄)それ以外はすべて減少しています。気になったのは、名古屋圏で人口の増加が止まったという内容でした。極端な円高の進行の中で、製造業は不振が続き、雇用の確保が難しくなってきているのです。岐阜と三重でも人口減少が加速していますから、これからの「変動」に備えなければなりません。
しかしながら、本当の意味で心配なのは、「高齢化」の超加速です。
一般的に高齢化が進んでいると言われている「東北」や「九州」と「大都市圏」では、その加速具合がまるで違います。たとえば、青森県で1%高齢化(65歳以上)が進んだとしても、人数に直せばわずか1万4000人に過ぎません。佐賀県での1%は8600人です。それに対して、東京の1%は、12万6000人、埼玉は7万人、神奈川は9万人、千葉では6万人が高齢化する。すでに高齢化の進んでいるところは、ゆっくりと高齢化が進むのに対して、都市圏では数十万人単位で、「年寄り」が増える。
今後、2030年へ向けて、大都市圏では15%ほど高齢化が進むので、その数はあっという間に「老人都市」へ変貌する。それは【暴風雨】のようなもので、嵐が収まる2035年くらいまで混乱が続きます。歳をとると、外へ出なくなる。歳をとると、ものを買わなくなる。歳をとると新しいものに興味がなくなる・・・・。
すでに、福岡でも私よりはるかに年齢の高い「スーパーのレジ係さん」はたくさんいるし、高速パーキングの「ロッテリア」でも私より高齢の「店員さん」に対応してもらったことがある。ホームセンターの「担当さん」も私より歳が上です。
人口が減るだけではありません。人口構成が変化するので、マーケティングまで一変する。若者路線を走っている「商品」や「サービス」は、どこかで立ち行かなくなります。早めにライバルを蹴落とすか、ライバルを吸収するか、商品・サービスの変更をしておかなければ「客」などいなくなります。
【暴風雨】です!
備えは、大丈夫ですか!?