組織活性化コラム

「変わりたくない人々」との戦い

    最近、若い世代と話す機会が多く、おじさんはいろいろなことを彼らから教えてもらっています。
    「歴史の再認識」というものも、彼らが気づかせてくれたものです。

    日本史を学ぼうとする時、歴史区分には何通りかの分け方がある。逆にいえば、歴史に定説などなく、見方や角度を変えてしまえば、さまざまな考え方があるということです。

    たとえば、文献資料が残る時代を【政治中枢】の場所から区分すれば、

    飛鳥時代
    奈良時代
    平安時代
    鎌倉時代
    室町時代
    安土桃山時代
    江戸時代

    という区分になり、政治的中心都市を決められない、「南北朝時代」と「戦国時代」がこれに加わる。そして現代をこの基準に合わせて表記すれば「東京時代」となるはずなのだが、実際には近代だけは特別で天皇の在位にしたがって「明治」「大正」「昭和」「平成」と区分する。外国人が日本史を学ぶ時首をひねる部分です。もし、アメリカ合衆国と合併したりせず、あるいは中国に併合されることなく、日本という国があと数百年でも続くことがあれば、間違いなく後世の人々は現代を「東京時代」と呼ぶはずです。

    当然、歴史は場所だけで決まるものではなく、「文化」から区分する考え方もあります。

    縄文文化・弥生文化・古墳文化・飛鳥文化・白鳳文化・天平文化・弘仁貞観文化・国風文化・院政期文化・鎌倉文化・北山文化・東山文化・桃山文化・元禄文化・化政文化・明治文化・大衆文化という分け方も存在します。

    ごく一般的な分け方をすればこうなります。

    平成時代 (1989~2011現在)・・・・22年間
    昭和時代 (1926~1989)・・・・63年間
    大正時代 (1912~1926)・・・・14年間
    明治時代 (1868~1912)・・・・44年間 
    江戸時代 (1603~1868)・・・・265年間
    安土桃山時代(1573~1603)・・・・30年間
    室町時代 (1336~1573)・・・・237年間
    (そのうちの戦国時代1493~1573)・・・・80年間
    (そのうちの南北朝時代1336~1392)・・・・56年間
    建武中興 (1333~1335)・・・・2年間
    鎌倉時代 (1192~1333)・・・・141年間
    平安時代 (794~1192)・・・・398年間
    奈良時代 (710~794)・・・・84年間
    飛鳥時代 (6世紀末~710)・・・・約130年間
    古墳時代 (3世紀~7世紀前半)・・・・約550年間
    弥生時代 (紀元前3世紀~3世紀)・・・・約600年間
    縄文時代 (約12000年前~紀元前3世紀)・・・・約9000年
    旧石器時代(数十万年前~約一万年前)・・・・数十万年間

    日本史を漠然とではなく、こうして「峻別」してみると、意外と自分の認識があいまい模糊(もこ)としていることに気付かされる。

    近代・現代という時代(明治・大正・昭和・平成)は、すでに143年間、同時にわずか143年間なのです。なぜならば、鎌倉時代が141年間だったのです。鎌倉時代をどのように捉えるかという認識と近代・現代をどう捉えるかという時間軸は実は等しいのです。そうした平明な視点に立てば、過激な「アメリカ合衆国と合併」とか「中国に併合される」という表現が無謀ではないことが判る。鎌倉期にこの国は二度、「元」という外国勢力に攻め立てられ、危急存亡の瀬戸際に立たされたことがあるのですから。

    華麗なる安土桃山時代など、わずか30年間に過ぎない。
    現代人が積極的に知ろうとしない「室町時代」は「江戸時代」の265年に匹敵する237年間なのです。
    そして、平安時代は約400年も続いている。

     

    「組織」の中にも【変りたくない!】と泣き叫ぶ人々がいるかもしれない。変化することを怖れ、安閑とした気配の中で惰眠をむさぼりたいのです。「何でそこまでする必要があるんだ!」と叫ぶかもしれない。叫んでも構わない。しかし、近世から近代に変った「明治維新」がどのようなタイムスケジュールで動いていたかを知ってから叫ぶべきです。

    ペリー提督が浦賀沖に突如現れたのが1853年(嘉永6年)のことです。
    それから7年後の1860年(安政7年)、大老井伊直弼が桜田門で殺害され、その7年後1867年(慶応3年)に大政奉還・王政復古が行われいる。鉄道も自動車もなく、コンピュータも携帯電話もない時代に、わずか14年で時代が変ったこと知るべきです。
    「組織」の幹部は、声を大にしてそのことを伝える必要がある。なぜならば、紛れもなく、今が「乱世」だからです。

    さて、未曾有の「災害」を受け、「放射能」という人類が立ち向かったことのない出来事を目の前にして、個人や組織は何を考えますか。政治家や経済団体や従来型メディアががすでに「役目」を終えていることに気づいていますか。組織に「変わりたくない!」と叫ぶ人々がいるとすれば、捨て置くか、切り捨てる以外に道はないのではないかと、夜中に本気で考えることがあります。
    そして、ニュース番組でキャスターたちが次期政権の枠組みを「増税」を前提にすべてを話そうとするとき、日本が保有する「米国債、9069億ドル(69兆円)」にまったく言及しない【馬鹿さ加減】にあきれ返ってしまいます。公務員改革もせず、官僚の天下りを許し、電波特権を活用して、いったいメディアは歴史的にどんな役目を果たそうとするのでしょうか。

    「変わりたくない?そうか。では出て行きたまえ!私の目の前から、消えろ!!」

    てめぇら、「東京時代」の意味がわかっているのかぁ!

     

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