組織とは、人とシステム(仕組)の組み合わせのことです。
式で表せば
組織=人×システム(仕組)
または
組織=人+システム(仕組)
として表すことができます。
右肩が上がっているときは、上段の「掛け算」でよかったのですが、右肩が落ちてきている現代は、下段の「足し算」になります。右肩が上がっているときは、とにかく大量の人を雇い、次から次へ設備投資をして拡大路線を突っ走らなければなりませんでした。その時に人はあまり問題になりませんでした。量が大切なので、多くの人を雇い、そしてふるいにかけて能力のあるものだけを残せばよかった。それ以外は切り捨ててしまっても構いませんでした。何しろ、仕事は次から次に舞い込んでくるのです。人もたくさんいた。だから当時の経営者はこう叫んでいました。
「いつ辞めたって構わんぞ、君たちの代わりはいくらでもいるから!」
今はそんな時代ではありません。とにかく人を育てない限り、組織は長続きしない。長続きしないどころか、消えてゆく。社会や時代の「枠組み」が大変化しているので、従来型の思考や手法では時代遅れかまったく通用しないという事になりかねない。だから、人が重要です。
そして、その時に「どのように育てるか」ではなく「誰を育てるか」が優先します。これからのリーダーや幹部は、道を切り開いて行かねばならず、方法より【資質】が問われるのです。同時に、人を育てるには時間がかかる。昔から言う
「石の上にも三年」
という言葉は、真実です。
毎月、博多で開催している「とじき塾」の今年のテーマは「全社幹部化」です。とにかく、経営者(社長】の考えていることを、9割、8割、5割、3割理解してくれる人間をいかに作り上げるかがテーマです。
来月の「とじき塾」への参加者名簿を眼にして、思わず手が止まった。参加メンバーがまた変わっているのです。先月の参加者とは違う人間をある組織は送り込んでくるようです。
「おーい、社長!一体誰を育てるつもりなんだい?」
思いつきでは、人は育ちません。
「おーい、社長!腰、座っているかい?」