いつもは、夜更けか深夜に文章を書くことが多いのですが、午後から少し時間が空いたので、「明るいうちに」HP更新をしておきます。
中小企業の【組織活性化コンサルティング】を行うとき、コンサルタントサイドから考えるもっとも重要なことは「キーマン探し」です。
「キーマン」とは、経営者以外に、本当にその組織が(仕事が)好きな人のことです。
「そんな大層な言い方なんかするんじゃねぇ、みんな会社が好きに決まってるじゃねぇか!」
などと叱られそうですが、実はそれは建前で、実際に「会社が好きだ!」という人は案外少ないのです。
「社長(経営者)が好きでたまらないんです。この人のためなら少々苦労したっていいんです!」
という人も、やはり多くありません。逆に、「この仕事が好きで」という人は結構いるのですが、それが「会社が好き」「社長が好き」というところにまでんなかなか届いていないというのが中小企業の現状です。
コンサルタントとは、化学的に表現すれば「触媒(しょくばい)」ですから中に深く浸透する存在ではなく、あるきっかけを作る存在です。物理的に表現すれば、「てこの原理」の「支点」を探し続けている存在です。その組織のどこを「支点」としてどれくらいの力を加えれば組織が動くかを考え続けている人間です。
組織の「キーマン」とは、その「触媒」に反応してくれる人間のことであり、重みに耐えて「支点」となってくれる人間のことです。
「それは組織の幹部達のことではないか?」
とも言われそうですが、必ずしも「幹部」がキーマン」であるとは限りません。
「実は給料が安くてやってられません!」
「実は、うちの社長は○○なんですわ」
「いずれ独立しようと思ってるんですけど・・・・」
「うちの社員は、馬鹿ばっかりで・・・」
「そのうちにこの会社つぶれますよ」
親しくなると、そんな言葉を簡単に言い始める「偽りの幹部」は結構います。そういう幹部の下で働く人たちは、本来「すさまじい能力」を有しているのですが、それを発揮できる「スペース」を与えられていないので、どこか醒めたり、腐ったりしています。第3者から見ると、もったいない話なのですが、組織の中からはそれを変えようというエネルギーがなかなか生まれてきません。
「社長が好きなんです!」
と言い切れる人がいると、間違いなくその人が「キーマン」で、組織にとって必要なことを理解すると、少々の困難があっても、簡単にはへこたれません。何しろ、社長が喜んでくれることが自分の喜びでもあるのですから、組織を変える、業績を上げる、人を育てるということについて熱心です。「方法」さえ伝えてしまえば、その人が中心になって組織はかなりの速度で変化してくれます。
「この仕事が好きでたまらない!」
という人も、また「キーマン」です。その仕事のもつ意味や、時代変化に伴う自分達の変化の必要を絶えず感じている人たちなので、組織の中を変えることについて熱意を持っています。特に同業他社と絶えず自分達を比較しているので、「変革意欲」に富んでいるともいえます。
「こうすると、もっと客が喜ぶんだが!」
「今度からこうやってみないか?」
「うちレベルの会社ならここまではやるべきじゃないか・・・・」
そうした感覚は、まさに【組織活性化】の「キーマン」です。
「組織」とは、「個人では達成できない目標を二人以上である複数の人間が、協同して達成するシステムのこと」と定義されています。二人以上である複数の人間によって構成されていますから、「変化」については「手順」が必要です。その「手順」をコンサルタントとともに踏んでくれる人間が「キーマン」です。
「キーマン」がいる組織は、私達としては助かります。「手順」がひとつ省けるからです。
もし、その組織に「キーマン」が見つからなかったときは、どうするか。「キーマン」を作り上げるところからが私達の仕事になります。
さてさて、あなたの組織の「キーマン」は誰でしょう。
もし、具体的に「名前」や「顔」が思い浮かばなかったら、思い切って手を上げてください。
だって
「会社、好きでしょう?」
「社長、好きでしょう?」
「仕事、好きでしょう?」
この文章を書きながら、何人もの「キーマン」の顔と、「キーマン候補」の顔と、「偽りの幹部達」の顔を思い浮かべています。(笑)そして、今から「手を挙げる」であろう、まだ見ぬ新しい「キーマン」たちの顔を・・・・。