「最近の若い連中は」
というセリフはいつの時代にもありました。
1・言わないと分からない
2・言っても分からない
3・何度言っても分からない
というジレンマがあることです。特にビジネスの世界では、「動き」と「結果」が直結していますから、余計こうしたジレンマについては敏感になってしまいます。
「お前ら少しは考えろ!」
などと、幹部から時折、棘のある言葉が出てしまうのは、組織運営の根幹に関わることだからです。
しかし、その時考えて欲しいのは以下のことです。
1・さて、そのことについて教えていたか?
2・そのことについて訓練をさせていたか?
3・かつて自分はどうだったのか?
そして、個人と組織は違うものだということを理解しましょう。個人には「ある日突然」ということがあります。人間の持つ様々な感情が起爆剤になって、個人は「ある日突然」目覚めることがあります。
「こんなことでは駄目だ!」
「あいつにだけは負けたくない」
「くそうっ!今に見ていろ!」・・・
多くの場合、こうした挫折に近い爆発的なエネルギーが起点になって、突然変わることもあります。
しかし、組織に「ある日突然」はありません。ある朝、突然、組織が変わった、などいうことはありません。組織は複数の人間で構成されているので、必ず【プロセス】を伴います。プロセスとは、手順のことであり、同時に時間的経緯のことです。つまり、時間がかかる。にもかかわらず、経営者や幹部はこういうのです。
先日、ある研修会で「報告、連絡、相談」に関する研修会をしました。研修会が終わったあとの感想で、「報、連、相」は、結局個人の意識の問題ではないか、という意見が出ました。確かに最終的には、個人の意識の問題なのですが、いきなり「個人」を持ち出すと、組織は混乱します。
まず、組織の目的、行動の方向、必要性の有無、想定されるリスクと過去の失敗事例、してはならないことと、せねばならないこと・・・。そうしたものがまず開示され、なおかつ組織に理解されていなければ、いつまでも「やらされ」が続きます。そして、「やらされ」は、長続きも改善もしないものです。