とじき雑感

組織の「上流」と「下流」

    組織の課題とは、煎じ詰めれば「上流と下流のバランス」のことです。

     

    th_P1060477【上流】とは経営者のことであり【下流】とは組織のことです。
    経営に関しては売上や利益や企業の社会的責任などという細かい話は出てきますが、結論から言えば、「上流が上流の仕事」をしているか、「下流が下流の仕事」をしているかどうかが組織課題の本質です。うまくいっていない組織の共通した姿は、その大原則が理解されず、ごっちゃになってしまっています。
    「全員で会社のことを考えよう!」
    などという言葉は一見スマートに聞こえ、何やら風通しの良さそうに聞こえますが、これほど無責任な言葉はありません。
    「全員で目標に向かって行動しよう!」
    ということはあっても、本来【上流】が考えるべきことを組織の誰かに押し付け、逃げまわっているから組織に正しい流れが生まれて来ないのです。

    「○年後にはこんな会社にしたい!」
    「そのためには、この目標をクライアしなければならない!」
    「だから今年は、これとこれを絶対にする!」・・・

    という【上流】の方針が見えないので、【下流】がいつまでも本気になってくれないのです。会議に遅刻者が出たり、似たようなクレームが続き、挙句、売上や利益を落とし、年々先細りをしている。

    では、経営者だけの問題なのかといえばそうではありません。
    【下流】に時代に合った仕組みと人材がいないないために、いつまでたっても【上流(経営者)】が「方針」や「計画」や「目標」を組織に投げかけられなくなっている。つまり【上流】と【下流】のバランスがおかしいのです。だから、経営者が組織に所属する人たちの悪口を言い、社員が会社の悪口を言っている・・・。

     

    逆に、伸びている組織、結果を残している組織は、そのバランスがとてもいいのです。経営者が社員の意見を聞きながら「明確な計画」を立て、それを丁寧に組織の人たちに理解させ、行動させる。社員たちは、進むべき方向や速度を理解しているので、やらねばならないことと絶対やっては行けないことを十分にわきまえている。そうした、本来の「風通しの良さ」の中で、売上や利益や顧客満足、社会貢献を考えながら行動している。
    組織には【上流】でしか解決のできないものがあります。同時に組織には【下流】が本気にならなければ解決のつかないものがあります。そして、その【上流】と【下流】をつなぐものが「幹部」と呼ばれる人々です。
    「組織は人である」という言葉の本当の意味は、そうした組織全体を見回して、組織の将来を見据えて行動できる人間がいるかいないかということです。

     

    さて、みなさんの組織には「幹部」が何人いますか。一人でもいれば、生き残る可能性はかなり大きくなります。もしいないとすれば、早急に育てるか、どこからか連れてこなければ、組織が消えてしまうかもしれません。
    組織活性化活動」とは、その組織の【上流】と【下流】を整え、その間をつなぐ人間を育てることです。そして、その手始めに「5S活動」という誰が見ても分かる要素を使って、組織課題を一気に浮き出させます。
    来月もまた2社の組織が新たに「組織活性化活動」をスタートさせます。

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