とじき雑感

キックオフ講演

     

    TPOとは、Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)の頭文字をとった略語。本来は、時、場所、場合に即した服装をすべきだというファッション業界の提案として登場したものだが、現在では価値観の多様化などにより、多くの商品分野に採用されている。また、マーケティング諸施策でもTPOは重視される。つまり、多品種少量生産が進む中で、社会状況(時)、地域事情(場所)、ライフスタイルや消費者嗜好(場合)を考慮した商品開発や販売手法が非常に大切である。

    普段人前で話すのが仕事です。話す側から言わせてもらえば、話す時にもTPOはあります。その場が「研修」なのか「講演」なのかで話す内容も、順番も、時に話す意味さえも変わります。
    なので
    「とじきさん、とりあえず話をしてくれませんか」
    と言われるのが一番つらい。
    【目的】が明確でなければ、方法が決まらない。方法が決まらなければ、当然とりあえず、という話になる。とりあえずでは組織を変えることはむつかしい。

    「研修」とは、知識や技能などを修得することがもともとの意味だが、特に職務上必要な能力を修得する講習会などの場をさす。「講演」とは、聴衆の前で,ある題目のもとに話をすること。またはその話のことです。同じ人前で話すにしても、ずいぶん意味が違う。「研修会」なのに最初から最後までメモひとつ取らない参加者がいる。「講演会」であるにもかかわらず、具体的な手順の解説がなかったとアンケートに書き込む人がいる。

    組織活性化活動を行う際に、組織の全員に対して必ずこれから何を始めるのかという「キックオフ」を行います。これは「講演」です。目的は、全社一丸体制の準備です。大きな社会の枠組みから、他社事例、よその組織での成功事例・失敗事例。そうしたものを全員の前で開示し、自分たちの課題として「感じて」もらう。「研修」ではないので、細かい部分は伝えきれません。しかし、これから進んでいく方向を確認してもらえればいい。

    その後の「仕組み作り」は、講演では無理です。仕組は徹底的に具体性を伴いますから「研修」が必要です。行動計画として改善工程表を作成しながら、自社の課題を考える。他社事例を聞きながら自社に置き換えて課題を予測する。そして何よりも、自分たちの目指すレベルを明確にする。
    「自分たちの組織はどこに行こうとしているのか?そのためにはどのレベルまで仕組みを考える必要があるのか?」・・・
    そのためには、徹底した話し合いと、推進メンバーたちの合意が欠かせません。

     

    th_写真4月26日、夕方からある企業グループの「キックオフ集会」で【講演】をしてきました。グループ全体で60名が開催予定時間の10分前に着席しています。1時間以上をかけて隣県からの参加もありながら、遅刻者はゼロです。後ろから見ていると姿勢が崩れている人間はいません。司会者や会長・社長の問いかけにも大きな声できちんと声が出ている・・・。
    私の公演時間は1時間20分でしたが、予定した20ページのレジュメのうち、プロジェクタで見せたのは「3枚」だけ。その他に丁寧に他社事例の写真を見てもらいました。どう考えても「地力」のある組織なので、重要なことは【方向性】を明確にすることだけでした。
    そして、5月2日、連休の途中ですが「研修」が始まります。3社グループ企業なので、水平展開に関して注意をしなければなりません。

    TPOに応じた計画と行動がスタートします。

    関連記事

    TOP