とじき雑感

システムの寿命、企業の寿命

    「システム」とは、相互に影響を及ぼしあう要素から構成されるま とまりや仕組みの全体のことです。

     

    th_00151汎用性の高い言葉なので、国家 や社会、組織や技術、あるいは品質や安全に関してもこの言葉が使 われます。
    「時代」は絶えず変化していますから、当然「システム」もその変 化に合わせて変化します。車や電気製品などは単なるモデルチェン ジだけではなく、その進化の過程で何度も「システム変更」を行い 現在に至っています。 当然、ひとつひとつの「システム」には【寿命】があります。

     

    何よりも「時代」が変化しているのですから、「品質」「安全」「 環境」の要求レベルが上がり、「顧客満足」の質が変わり、処理に 関する「スピード」も「精緻さ」も変化します。昔のように「算盤」 を弾きながら「手書き」で書類を書いて、「郵便」で届けるという 牧歌的なレベルでは時代に取り残されてしまいます。組織のトップ やそれを支える人々は、絶えず「時代変化」を読み取り、その変化 に応じた【対策】を取る必要があります。具体的に言えば「ハード・ ソフト」の更新、取替えや新しい仕組みに対応できる能力を持った 「人材」の確保であり、物事の処理の流れの見直しのことです。

    「システム」の寿命については、対象によってさまざまです。
    コン ピュータの世界では「ドッグイヤー」「マウスイヤー」という言葉 が使われるほど変化の速度が速いのです。(犬の1年は人間の7年に 相当し、ねずみの1年は人間の18倍に相当します) 【還暦(かんれき)】という言葉があります。還暦とは、干支(十 干十二支)が一巡し、起算点となった年の干支に戻ることで、人間 の年齢で言えば「60歳」のことです。還暦を迎えると、「人生が一 度終わった」ということで、赤ちゃんに戻って赤いちゃんちゃんこ を着て新しい人生を送ってくださいというセレモニーを行います。 (かつては魔除けの意味で産着に赤色が使われていました)

    ということは、「システム」の【寿命】は60年が限度かもしれませ ん。 現代の「社会システム」の構築は、1945年(昭和20年)から始まり ました。その年から、すでに【66年】経っています。 戦後60年目の総理大臣は「小泉純一郎」でした。彼は内閣総理大臣 を6年近く勤めました。そしてその後「安倍~福田~麻生~鳩山~ 菅~野田〜安倍」と7人の人間がほぼ1年おきに交代しています。 「7年間で、7人・・・・」 彼らの素質や才能の問題だけではなく、明らかに「システム変更」 をしなければならないときに、それを行わなかったために、毎年総 理大臣を代えなければならなかった「原理」について誰も言及しな いのはなぜでしょうか。

    当たり前のことですが、そうしたことを批 判しなければならないはずの「マスコミ」「言論界」もまた、60年 を超えて、以前の仕組みのままに安閑と過ごしているために「指摘」 すら出来なくなっているのです。

    帝国データバンクのデータによれば、昨今の倒産企業の「3社に1社」 は【創業30年以上企業】だそうです。
    「なるほど、企業のシステム寿命は30年か・・・・」
    さて、皆様の企業は「創業、何年目?」なのでしょう。 組織の中の【誰かが】気付いて、手を打たなければ、毎年社長を代え なければならなくなります。おっと、その前に「潰れてしまう」のか。 だから、3社に1社は・・・・・。

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