とじき雑感

再録 イメージで語る馬鹿!

    「いやぁ、とじきさん。以前ブログに書いていた【アルプスの少女ハイジ】の話は面白かったですなぁ。最近あんな話は書かないのですか?」
    ある方と話していたら、こんなことを言われた。

    うーん、【アルプスの少女ハイジ】??
    うーん、そんな話、書いたっけ??

    先日、外付けのHDを復旧した時、暇を持て余してパソコンの中を検索してみたら、出てきました。
    なるほど、昔は気合が入っていたなぁ・・・。
    「再録」します。(2010年6月の文章です)

     

    再録 イメージで語る馬鹿!

     

    th_matterhorn-snow-switzerland-zermatt_121-107484人間はイメージの生き物なので、何かで刷り込まれたイメージはなかなか抜けるものではありません。
    「スイス」という国のイメージも「アルプスの少女ハイジ」のイメージが強くて、なおかつ「永世中立国」であることを子供の頃に教えられているので、何となく「素敵」と思ってしまう。何といっても、美しいアルプスの風景に癒される。多分、素敵な国だろう・・・・。

    そんなイメージで、サッカーのワールドカップ「チリ対スイス」を眺めていると、なかなかタフな戦いぶりに圧倒されます。一発退場のレッドカードやイエローカードが飛び交い、ハードなシーンの連続でした。

     

    「スイス人と喧嘩をしてはいけません」

     

    という話を外国事情に詳しい人から聞いたのは、数年前のことです。
    何といっても、K1の格闘家・アンディ・フグを生んだ土地柄です。その気性の荒さは尋常ではない。
    スイスは「国民皆兵制度」を持っていますから、兵役義務期間が30年あり、初年訓練や数年おきの訓練参加が義務付けられているので、成人男子は「兵士経験」があるのです。優男(やさおとこ)だと思っていちゃもんなどつけようものなら、一発でのされる。何しろ、20歳の時に17週間の「兵士訓練」を受けているのです。ましてや数年おきに、徴兵訓練を受けている。なるほど、スイス人と喧嘩をしてはいけない。
    当然、銃と弾薬を国家から支給され、それを自宅に保管している。有事の際はそれを手にして敵と戦う。
    ヨーロッパでは知られたことだが、バチカン市国の軍隊は、スイス人傭兵で維持されているし、古くは、フランス革命のとき、ルイ16世とマリー・アントワネットを守るために、スイス人傭兵が全滅している。
    その国民としての峻烈さが、ワールドカップの試合にも現れているように思えました。
    「アルプスの少女ハイジ」だけがスイスではありません。つまり、刷り込まれたイメージだけで、物事を考えると、大きな間違いを犯しかねません。

     

    夜、9時過ぎに飛行機で名古屋から博多に帰り、とりあえずニュースを見ていたら、菅という総理大臣が、各政党の党首達と討論をしたという映像が流れていました。その中で、ヨーロッパかぶれの菅という首相は
    「スウェーデンでは・・・・・」
    と偉そうに、外国の社会保障制度について話していました。
    「また、馬鹿を言っている!」
    と不愉快になるのは、スウェーデンの人口を知っているからです。
    スウェーデンの人口は「950万人」人口密度は「20人/Km2」です。当然高い社会保障制度を維持するために「徴兵制度」を持っている。
    人口「1億2700万人」人口密度「337人/Km2」徴兵制度を持たない国の仕組みを考えるのに、なぜ国家規模が13分の1の事例を持ち出すのか?
    ひょっとすると、イメージだけで物事を考えている人物が日本のトップにいるのだろうか。おまけに、各党の党首たちは誰もその「おかしさ」を指摘せず、当然メディアもそれを批判もせず、映像を垂れ流すだけ・・・・。
    スウェーデンが「社会科学の実権国家」と呼ばれているのは、かの国が時代変化に合わせて、法律や制度を素早く対応させているからなのだが、それは「950万人」という世界で「84番目」に少ない人口であることに理由があります。

    イマジネーションは、人間の持つ素晴らしい能力です。それはさまざまなイメージの積み重ねの中から生まれてきます。
    しかし、「イメージ」だけで物事を語る人間に、国のトップが務まるかどうか・・・・・。
    従業員数1万人の大企業のトップが、公の場所で従業員数750人の企業の手法を参考にする、と言えば、そのトップの資質は疑われる。そんな分かりやすい「馬鹿さ加減」を誰もきちんと指摘しない。つまり、再び「馬鹿」がトップを張っているのか・・・。

     

    イメージだけで、偉そうな話をしている「馬鹿」が身近なところにいませんか?
    組織のトップや幹部だったりすると大事(おおごと)です。
    時々、「阿呆な二代目」「後継者もどき」にこんなタイプがいたりしますが・・・。

    おーい、後継者諸君!
    心せよ!

     

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