組織運営上で、経営者が頭を悩ませるものの中で「幹部の質」という問題があります。

 

th_00318経営者が思う以上の成果や結果を幹部が残してくれればいいのですが、なかなか期 待したものが現れてくれない。時に、身近な組織を見渡した時、よその組織の幹部たち は、実にいきいきとしていて、何となく「他人の芝生」がうらやましい。なぜ、うちの幹部た ちは、こちらの期待以上に動いてくれないのか・・・。

さて、原因はどこにあるのでしょう。
実は、中小企業の場合、各部門の「年長者」「トップ成績者」に部門長を任せている 場合が少なくありません。
例えば、総務経験が一番長いので「総務部長」であったり、 営業成績が良いので「営業部長」であったり、いい大学を出ているので「工場長」で あることが少なくないのです。確かに、各部門の「スペシャリスト」たちですから、 業務を遂行する上で、一番安心感があります。日常業務を適切に処理できなければ、 組織の中で重要な「売上」や「営業」や「製造」「支払い」などに支障をきたします。 だから、各部門の「年長者」「トップ成績者」を部門長にしているのです。 そして、その人たちのことを【幹部】と呼びます。 確かに、その人々は【幹部】なのですが、さてそこに問題が潜んでいます。
実際のコンサルティングの現場で、「経営会議」が開催され、経営について意見交換 をしている時に、実に奇妙な現象が起きてしまいます。「経営会議」なので、当然、 経営についての話を進めようとするときに、その組織の「負債」の総額を、営業部長 が知らない。当然、工場長も管理部長も総務部長も支店長すら知らない。ようやくそ のことについて語れるのが「経理部長」だけ、という現実にぶつかります。 今後の受注見通しについての話を進めようとする時に、受注見通しに関して、総務部 長も経営部長も工事部長も管理部長もまったく知らない。知らないだけではなく、興味 すら持っていない。ひどい組織になると、「それは私の仕事でもないし、所管でもない」 と平然としている。営業部長だけがしどろもどろに説明をする。 その組織に関する「法律変更」や「規制変更」について、総務も経理も営業も工場も支店 もまったく情報を持っていない。わずかに管理部長が知っているだけ・・・・。

 

さて、「経験年数」や「成績トップ」で選んだ人々のことを「業務幹部」といいます。 業務に関しては「スペシャリスト」なのですが、経営に関しては「アマチュア」です。 では、本当に組織に必要な幹部はどのような人々でしょうか。それは【経営幹部】です。 経営者と同じように「経営」について悩み、考えられる人間を【経営幹部】と呼びます。
そして、その【経営幹部】は、経営者自らが「育成」しない限り、自然発生的に組織から でて来るものではないのですが、このことを理解している経営者は案外少ないようです。

「他人の芝生」すなわち、経営者がうらやましくなるような他の組織では、「水面下で」つまり傍からは見えない部分で、経営者が【経営幹部】を「育成」しているのです。

皆様方の組織には、「業務幹部」はどれくらいいますか?「経営幹部」は?
経営者の覚悟と経営者の意気込みがなければ「経営幹部」は生まれてきません