時代が大きく変る時、経営環境が「激変する」のは当たり前のことです。従来型の「思考」や「手法」では、その先を凌いではいけない。当然、組織の意識や仕組みを時代に合わせて「変化」させる必要があります。
ところが、20年、30年と「成功体験」を積み上げてきた【当代】には、その変化が実感できない。
売上が落ち込み、資金繰りが苦しくなり、どうも以前のようにはいかない。辺りを見回してみても、皆苦戦しているようだ。どうやら、苦しいのは自分たちだけではない。以前にも苦しい時はあったのだ。そのときも何とか凌いで来たではないか。しばらく我慢をしていれば、そのうち景気が上向き、持ち直すに違いない。今は我慢の時だ・・・。
そんな風に考え、じっと我慢する。
それに、時代が変ったといっても、一体何をすればいいんだ。真面目にこつこつと一生懸命やっていれば、お天道様と米の飯は付いてくる。今は我慢、我慢・・・・。
成功体験が強烈であればあるほど、新しいものを「拒絶」する。「拒絶」すると、急速に高齢化が進んでいることや人口が減少している「大きな変化」に気付きもしない。景気が悪いのは、急成長を遂げる諸外国が原因だと思っているし、当然政治が悪いと思っている。グローバルな動きが自分たちの生活や経営に直結していることなど考えようともしない。NHKのニュースと朝日新聞だけを読んで「世間」を理解する。インターネットの通販だけで2兆5000億円、携帯サイトなどのモバイル通販が4000億規模の市場であることなど、知りはしないし、知ろうともしない。
銀行に行けば、従来通り融資が受けられると思っているし、いざとなったら国や県が助けてくれると思っている。
だから、我慢、我慢・・・・。
その時問われるのが、次世代を担うべき【後継者】の「生命力」なのです。
【当代】と争ってでも、変えなければならない「意識」や「仕組み」があることに、後継者は気付いている。実際に「戦いの最前線」へ出ている以上、否応なくそれを幾度も思い知らされている。
しかし、動こうとする時、【当代】の呪文が耳元で囁く。
我慢、我慢・・・・。
そして動こうとする時、【当代】の止めが入る。
そのうち良くなるから・・・・。
「馬鹿なことを言うんじゃねぇ!」
と【当代】に向かって啖呵を切れる【後継者】がどれほどいるものやら・・・・。
全国を飛び歩いて、今風の【後継者】たちを眺めていると、いささか心もとない。奇妙に物分りが良く、お公家さんの匂いをさせた【後継者】によく出くわす。
おいおい、【当代】や【先代】が会社を興すとき、お公家さんみてぇな顔をしてたと思うのかい?それこそ、「生命力」に溢れ、がむしゃらだったんじゃないのかい?怯えた顔なんか見せるんじゃねぇ!
どう考えても「生命力」の問題なのだ。
A君、B君、C君、D君・・・・。
君らの事を言ってるんだぜ。
【当代】と争ってでも、やらなければならないことはあるんだけどねぇ・・・・。
だから、君らは、若い【ベンチャーの連中】に負ける。彼らは勉強しているぜ。彼らは動いているぜ。何よりも彼らは、死に物狂いさ。
つまり、君たちと「生命力」が違う・・・・。
勝手に、負けてろよ!