組織活性化コラム

「後輩」が育てる

    ここ数週間、「各地」へ出かける仕事が続いています。
    ホームタウンは「福岡」なので、当然「新幹線」や「飛行機」を使います。つまり、【移動】を繰り返す。ありがたいことに【移動】しながら、さまざまな「風景」を眺めています。途中の流れる「風景」だけではなく、駅や空港や町々の「風景」を直接見ています。それも、何年も【移動】する生活を続けているので、「変化」に気付きます。

    昨今の「気付き」は、やはり「高齢化」でしょうか。駅の職員、空港の職員、売店の方々、タクシーの運転手、乗客・・・・。行きかう人々の「年齢」が高い。特に、深夜の「コンビニ」や「スーパー」で働く人たちの多くは、私と同世代か、時に明らかに私よりも年上です。工事現場の「ガードマン」の人たちの年齢も高い。かつて「土木の現場監督」をしていた頃ならば、いなかったような世代が現場を誘導している・・・・。
    日本の「平均年齢」は、48歳ですから、社会の「年齢構造」としては当たり前のことなのですが、この「変化」は見落としやすい。なぜならば、急激にそうなったのではなく、徐々に変化していき、なおかつ自分も同じように年齢を重ねているからです。

    昼間、「平均年齢46歳」の企業の専務と部長と話をしていました。その企業だけではなく、多くの企業の「弱点」が、この「平均年齢の高さ」にあることに気付いている企業も少ないのです。
    「生産効率」を上げる仕組みを必死に考えている企業の平均年齢が「52歳」だったりします。同業種で、同規模の仕事をしながら「平均年齢36歳」の別の企業とは、明らかに「生産効率」も「利益率」も違う。そのことに気付いていない組織が多いようです。

    ある企業で40歳を過ぎながら、どうも年齢に見合ったような「動き」や「発言」をしない人物に会いました。決して、仕事が出来ないわけではなく、性格も悪いわけではない。にもかかわらず、組織の人間としてはかなり物足りない・・・・。何故だろう?ひょっとして、と思い尋ねてみると、案の定そうでした。
    「私が会社の中で一番若いのです」
    その人物が入社して以来、より若い世代が入っていない。入っても、すぐ辞めてしまう。結果として「すっと会社の中で一番若い・・・」。

    福岡ローカルのテレビ番組で、ある女性経営者が言っていた言葉が印象に残っています。
    「どんなに、経営が苦しくても、毎年一人は新卒者を雇うことにしています。若い子達が一番育つのは【後輩】を持ったときなのです。【後輩】がいなかったらいつまでもその子は育ちません。【後輩】が若い子達を育てるのです」

    さて、皆様方の「組織構成」と「将来ビジョン」はいかがでしょうか。
    5年後、10年後を考える時、「商品」や「サービス」や「売上」だけでものを考えていませんか。
    組織は【人】で構成されています。【人】をはずして、組織は考えられません。

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