一般的に、「大企業」「中堅企業」「中小企業」という言葉を日常的に使いますが、これらにはいくつかの「定義」があります。
大企業:資本金 10億円以上
中堅企業: 資本金 1億円以上10億円未満
中小企業:資本金 1000万円以上1億円未満
零細企業:資本金 1000万円未満
資本金で考えると、おおむね上記の分類となります。もちろん、資本金以外に従業員数などで分類することもあります。
ある日、ある人から「中小企業と中堅企業の違い」について教えてくれと言われました。上記のことを伝えた後に、その人が「どうすれば中堅企業になれるのだろうか?」と質問をされました。少し考えて、こう答えました。
「ええと、【なり】で考えるのが中小企業。【けつ】から考えるのが中堅企業です」
中小企業は、今目の前で起っていること、今やったことを基準に物事を考えます。つまり「積み上げ方式」で仕事や業績を考えるのです。
「雨が降ったから現場が出来なかった」
「雨が降ったのでお客が少なかった」
「雨が降ったのでしょうがない」・・・・
悪いのは自分ではない。天気が悪いのだ。だからこれからどうすればいいのかを考えよう。つまり、目の前で起っている出来事をすべて認め、そこから出発する。【なり=成り=起ったこと】が基準です。だから、計画を立てるとき、基準は「去年の実績」「一昨年の実績」「今までの流れの中」でしか物事を考えない。
一方、中堅企業は、3年先、5年先の「目標」から物事を考える。つまり「引き降し方式」で仕事や業績を考える。
「雨が降って現場が出来なくなったらどうするのか?」
「雨が降って客が少なくなったらどうするのか?」
「雨が降っても大丈夫だ」・・・・・
先々このようにしたい、というリアルな想像(イマジネーション)から、現在を「引き降ろして」さまざまな準備をする。目の前で起っている現実と将来の「あるべき姿」とのギャップを埋めるために、今何をしなければならないかを考え、行動する。【けつ=尻=終着点】が基準です。計画を立てるとき、基準は「将来のあるべき自分達の姿」です。
「ええと、結論から言えばですねぇ、【受身の中小】【攻めの中堅】ってところでしょうか」
答えとして、間違ってはいない。
「だから社長、早く【魂の篭った経営計画】を立てんといかんばい!それが無かけん、いつまでも組織が動けんとたい!!分かっとうや?」