とじき雑感

風雲、急なり

    盆休み前に、立て続けに「企業研修」が入っています。
    先月は「安全大会」に絡んだ講演要請が多かったのですが、このところ、クライアント先の個別の組織課題について「研修」したいという要望が立て続けにあっています。
    最近の傾向は、一からお願いしますという形は随分減って、この辺りまで自社で取り組んでいるので、「ここと、ここを」補強してください、という形に変わってきたようです。つまり、それぞれの組織の【レベル】が随分と上がってきているのです。

    何しろ、時代の変化の速度と質が、大変化してしまっている。以前のように、おっとりとした構えではあっという間に足元をすくわれてしまいます。とにかく、当てにできるものがない
    国も自治体も経済界も「質的変化」について行けず、信頼すべき「メディア」がもうボロボロで、何を信用していいのかさっぱり分からない。所属する「業界」は右往左往するばかりで、最後の砦の「金融機関」も足元の軟弱さに恐れおののいています。

    コラムを書く前に、ネットの「Google ニュース」に並んだトップタイトルを見て、思わず背骨を伸ばしました。

    1号機建屋、高放射線量を新たに計測
    福島第1原発:1号機建屋で5シーベルト 立ち入り禁止に
    円高:介入効果は不透明 米欧経済の先行き不安で
    トヨタ、超円高下の苦闘 追加増産の可能性探る
    農水省がコメ収穫前に予備検査 千ベクレル超の地域
    大東島地方、3日に暴風の恐れ=台風9号、沖縄へ-気象庁

    何かの「変化」が今起っているのではなく、これらは「今から起ること」の序曲に過ぎません。
    もともと「日本の食品」には深い闇があって、素人が簡単に手を出せるものではない。なおかつ「電力」は明治以来の利権の巣窟で、これまたアンタッチャブルな領域です。そこに「世界的な金融不安」がのしかかり、揚げ句極端な円高が日本の製造業を圧迫する。そして「情報」は開示されず、メディアは人事のように眠りこけています。

    近代以前の人々は、空を見上げ「雲を読み」「風を測り」ました。まず嵐を予測することが、生き延びることの第一歩だったのです。
    われわれもまた、空を見上げ、眼を見開き、雲を読み解き、風を測り、明日に備えなければなりません。

    誰も「本当のリスク」を教えてはくれないのです。

    「友よ、座するなかれ!書を捨て、街へ出でよ!自らの目で、今を見つめ、自ら決断せよ!風雲、まさに、急なり!」

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