「レスポンス」とは反応する力のことです。
昨年「横浜総合事務所」の経営塾で講師を勤めたことが縁で、㈱三友ファスニング さまの社内研修講師に呼んでいただきました。私の出身が「建設」なので、建設会社の研修は得意なのですが、持ち時間がなんと「4時間半!」。最近では長時間の研修です。
すでに社長様や専務様とは何度か顔を合わせているので、大まかに組織の雰囲気はつかんでいたつもりですが、社員の方々との対面は初めてで、おまけに持ち時間が長いので少々心配をする。私の「話」の方ではなく、聞き手である社員さんたちの方です。何しろ「4時間半」は長い。話し手である私は、6時間くらいは話し続けられる。「組織活性化」に関するネタには事欠かないし、「組織活性化」に関する写真も4パターンくらいは見せられる。しかしながら、「初めて見るコンサルタント」の話を4時間半聞くのは大変ではないだろうか・・・・。
話し始めてすぐにそれが「杞憂(きゆう)であることが分かりました。実に「小気味のいい組織」なのです。
講演活動が長いので、講演中はその場の空気を絶えず読んでいます。聞き手が「上の空」であったり「興味がない」などという雰囲気は、話し手が一番良く分かるのです。その空気を読みながら、エピソードを換えたり、時に途中でテーマを変えたりするのですが、そうしたことを心配する必要がまったくない組織でした。話しながら、「この部分を分かってほしいのだが」というところで、きちんと聞き手が反応してくれる。つまり「レスポンス」が良い。
特に後半部で話した「幹部育成」の部分では、幹部候補生と思しき数人の顔が真剣みを帯びているのが分かる。下手に頷いたりせず、一心に耳を傾けているのが分かる。最近珍しいほどの「熱い」組織でした。
「幹部候補生の選定基準は?」
という質問に対して、私はこう答えています。
「振り切れる勇気を持っていること!」
ボールに当てに行くのではなく、思い切り「振り切れるかどうか」が問題なのです。係長や課長クラスならば当てに行く確実性を重視していいのですが、いずれ組織を牽引しなければならない「幹部」には、「振り切る勇気」が必要です。
懇親会で会話を交わした「幹部候補生」たちには、その気配があふれていました。
「来年は、6時間やりましょうか?」
懇親会が終わった後、社長に思わずそう言ってしまいました。
「そうですな」
社長がにやりと笑ってそう答えました。うーん、来年は本当に「6時間研修」をやってしまいそうです。