戸敷とのお付き合いは長いとお聞きしておりますが、どれくらいのお付き合いになりますか?それときっかけは何だったでしょうか?
2008年からですからもう随分長いこと先生にはお世話になっていますね。きっかけは弊社の主要取引先である大手アルミメーカーの協力会で戸敷先生の基調講演がありまして、それを聞いてきた弊社役員がかなり面白い組織活性の話だったということで先生に連絡をとったのがきっかけです。
会長様が最初に話を聞かれたわけではなかったんですね?
はい。最初は又聞きでしたね。当時弊社では前オーナーから私が会長職を引き継だばかりで、組織が固まっておりませんでした。弊社は建材の販売会社ですが、創業者の圧倒的なカリスマ性と強力な販売力だけが売り物の会社でした。ある意味創業以来時代の波に乗って事業を拡大していたのですが、会社の風土が前近代的でそれを変えるきっかけを探しているところでした。ただ具体的に何をどうすればいいのかがわからない状況でしたので、その中で知った話でしたので一度来ていただきたいという連絡をしたのがきっかけです。
「事前にどういうコンサルタントであるかを十分に知らずに連絡された、ということですか?
そうですね。まず話してみなければわかりませんからとにかく来てもらいました。
そこでどんな会話をされたのでしょうか?
ご自分がなさっているコンサルティングの手法を話されたと思います。5S活動の話と今は「絶対利益」とおっしゃっていますが、当時は「限界利益」という、仕事があってもなくても組織に必要な金額を全員で集める仕組みについての話でした。
お聞きになられてどのようにお感じになられましたか?
まぁ、コンサルタントはいいことしか言いませんから、まぁこんなものか、と思いましたね。
ただ実際にコンサルティングをされた企業の事例写真には驚きました。ビフォー、アフターの写真でしたがこれほどまでに変化できるのかというのは驚きでした。当時の弊社の状況は、とにかくものを売るだけに集中していて組織全体のことを考えるということはありませんでした。社員も自分の給料と連動しているので一番気にしているのは自分の売上だけという状況でした。そうした前近代的な風土を一掃できればいいなとは思いました。
それと何度も言われる「全社一丸」という言葉に興味を持ちました。弊社グループは3社あったのですが、それぞれに別の場所にあって独立の気風が強く、とてもグループと呼べるような状態ではありませんでした。もしそういた「全社一丸体制」が作れるのなら挑戦してみたい気分にはなりました。
実際どういう手順で活動の入り口を整えられたのでしょうか?
先生から、一度全員を対象にした講演をさせてくれ、というお話を頂きまして、2週間後くらいに全社員を集めて2時間ほど話をしてもらいました。私自身もコンサルタントの効果については半信半疑でしたから、まぁ話を聞いてからというつもりでしたが、これが相当迫力のある講演でして、聞いた連中の多くがショックを受けたようでした。今まで売上しか考えたことない連中でしたから仕組みや利益管理に対する話は殆ど初めて聞くわけですし、何よりも他社の取り組み事例の写真とエピソードに驚きました。先生の話を聞いて、うちでも取り組むべきではないかという話になって、福岡までリーダーやメンバーを送り込み、まず5S活動に取り組みました。
実際どういう手順で活動の入り口を整えられたのでしょうか?
先生から、一度全員を対象にした講演をさせてくれ、というお話を頂きまして、2週間後くらいに全社員を集めて2時間ほど話をしてもらいました。私自身もコンサルタントの効果については半信半疑でしたから、まぁ話を聞いてからというつもりでしたが、これが相当迫力のある講演でして、聞いた連中の多くがショックを受けたようでした。今まで売上しか考えたことない連中でしたから仕組みや利益管理に対する話は殆ど初めて聞くわけですし、何よりも他社の取り組み事例の写真とエピソードに驚きました。先生の話を聞いて、うちでも取り組むべきではないかという話になって、福岡までリーダーやメンバーを送り込み、まず5S活動に取り組みました。
5S活動はスムースに進んだのでしょうか?
いやいや、これがなかなか大きな壁でした。
まずグループ会社なので最初は各社で温度差が大きかったのです。またカリスマオーナーが昔気質の人ですから、ものを捨てるということに対して拒否反応を示しましてリーダーたちは苦労しました。ただ,福岡へ研修に行った連中が研修から帰ってくる度に強くなり、自主性と当事者意識を持つようになり、最終的に以前とは全く違う環境を作り上げてくれました。実際に活動の現場ではいろいろあったようですが、結果的には全体の意識が大きく変わりましたね。
実際に5S活動に取り組まれて一番の成果は何だったでしょうか?
とにかく「人」が育ちましたね。
今まで口で言ったり気づいた時に注意して育てようとしたのですが、あまりうまくいかない。ところが、5S活動をやっていると業務からだけでは見えていなかった個人の資質が現れてきました。つまり本当は能力を持っていたのに業務では発揮できなかった長所が見えてきた。とにかく組織にとって必要と思われる人間が何人も出てくるんです。
これが一番大きかったでしょうか。
とじきが良く「業務からだけは人は育たない。プロジェクトで育てよ!」といいますが、そうした意味でしょうか。
まさにそうですね。弊社における【基礎的人材】は最初の5S活動から生まれてきたと思います。現在のグループの役員たちの殆どは当時のリーダーやメンバーたちです。早い段階から組織全体を見渡す、ということを5S活動から学んだ連中です。こうした連中が育ったことが一番の成果だと思います。
5S活動以外ではどんな支援をしてきたのでしょうか。
少しずつ体制が整う中で、組織改編や社名変更に関わるマーケティングのお手伝いをしてもらいました。
そして、ある程度グループが一体化できそうになったところで、横浜の横浜総合事務所の泉啓介先生をご紹介して頂きました。
泉先生は税理士ですが、泉先生からは「事業計画」「経営計画」「月次管理」の重要性などを教えて頂きました。戸敷先生には一緒に横浜まで連れて行ってもらってご紹介を頂いたのですが、これをきっかけにして【基礎的人材】たちが一気に【経営的人材】に変化しました。
まさにセカンドオピニオンといいますか、実に絶妙なタイミングで次のステージを示してもらったと思います。ここから、ある意味本当の「経営体制」が整い、人材に関する採用や育成、設備投資計画などに力を注ぐことができるようになりました

。戸敷先生の言う「絶対利益」という考え方が組織に浸透したのもそうした適切な時期での助言があったからです。

今後はどういう方向へ組織を導くお考えでしょうか?
昨年、後継者を定め、新社長を選びました。
同時に新社屋の建設と共に3社グループを一箇所に集めました。またM&Aも行い新しい部門の立ち上げにも取り組み始めました

。ようやく戦える体制が固まってきたように思います。もちろん、その時その時問題や課題は出てきますが、若い世代が育ってきているのでその力をもっと強くして業績を伸ばしたいと思います。
戸敷先生にはその都度いろんなご相談をしておりますが、うちの幹部職員の顔と名前と性質までご存知ですのでアドバイスが的確で、立体的です。新社長ともどもこれからも大いなるご支援を頂きたいと考えております。

ここ4年間で「90名」の社員さんのうち「45人」が入れ替わったという話を聞いております。2008年の取り組み当初「1億8000万円」あった在庫が、現在「3000万円」まで減っているという話も戸敷からも聞いております。そうした変化のきっかけを戸敷が与えたということでしょうか?
最初の戸敷先生の講演のことを「革命記念日」と呼ぶ役員がおります。それだけインパクトのあるお話でした。
新社長は、5S活動取り組み当時課長職だったのですが、そうした取組で会社が変化していなければ早々に辞めていたかもしれないという話もしております。その意味からすると大きな「変化のきっかけ」を頂いたと思います。

時代がすさまじい速度で変化する中で、企業にとって客観的なアドバイスは必要です。絶えずそのきっかけを戸敷先生からは頂いております。
今後も弊社を含め、多くの企業組織の「きっかけ作り」をしていただければと思います。

今日はお忙しいところお話ありがとうございました。

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