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 ある統計で「企業の寿命は23,6年」というものを見たことがあります。2013年に倒産した企業の創業年数を調べたらそんな数字になったというのです。以前は「企業の寿命は30年」と言われていましたから随分と短くなっています。それだけ時代変化が早いということであり、同時に創業年数がこれからを保証しないということの証拠です。台湾メーカーの傘下に入ったシャープの創業年数は104年であり、解散した三洋電機は62年間続いた組織でした。

 組織の究極の目的は「存続と発展」ですから、経営者は経営に対して時間軸を持つ必要があります。利益だけを目的にすると、前月対比。前年度対比という短いサイクルで物事を考えてしまいますが、存続を意識すると短いサイクルと同時に長い尺度で組織のことを考えておかなければなりません・

 

最新人口ピラミッドから考える

 2015年の国勢調査の簡易速報版の中に、人口ピラミッドの図表が出ていますが、それを見ると、二箇所で飛び出しています。まず団塊の世代と言われる67〜68歳の前後が飛び出ていて、次に42〜43歳の団塊のジュニア世代が同様に飛び出しています。つまり、ピラミッドと言いながら飛び出たコブが二箇所あるいびつな形です。

 その形を見て、すぐに60歳以上の人口を調べました。なぜそんなことをしたのかといえば、現在の日本人の平均余命(寿命)は、84歳くらいで(男80,5歳、女86,8歳)どうやら20年経つとこの世代の人達が次から次に消えていくからです。そしてその数は、4258万人でした。同時に新生児数を調べると年間に約100万人でした。

 そうなるとこんな数式を立てることができます。

20年後の人口予測数=現在の人口—60歳以上の人口+20年間の新生児数

いささか乱暴な式ですが、計算をするとこうなります。

1億2657万人−4258万人+2000万人=1億399万人

 つまり、20年後にも1億人の人間がこの国には存在します。

 

1億人が住んでいる世界

 実は1億人が住んでいると「内需産業」が成り立つと言われています。人口が少なければ製造やサービス提供も対象者が少なすぎて国内でまかないきれないので輸出入に頼らなければなりません。しかし1億人ならば自国消費が可能です。つまり20年後の日本はまだまだ十分にやっていける国なのです。

 そしてその時、高齢者の数は今よりずっと少なくなっています。福祉や介護に関する社会的負担は今より少なくなるのです。同時に不動産価格は大幅に安くなり、おそらく流通コストも驚くほど低くなるはずです。そうなると低かった出生数の上昇がどこかで起こってきます。何しろ頭の上に乗っている老人という重しが取れるのですから風通しの良い社会が出現します。

 人口減少や少子化に関して大手マスコミや評論家はネガティブなことばかり言い立てますが、冷静に考えれば単純に悲観的なことばかりではないのです。洋の東西を問わず、人口減少の後に新しい文化が栄えたという事実を見ても、これからの日本社会は悪いことばかりではないのです。

 経営者や経営幹部にとって大切なことは、これから20年後に現れる新しい社会に向けて経営の時間軸を定め、そこへ向かう道筋を自分の目でしっかりと見据えることです。これからの混乱は20年後の新しい社会の出現までのプロセスに過ぎません。それぞれのフィールドで頑張りましょう。