thebandwagon1

今年の4月に発行したメルマガ「南風通信」の文章です。本当に気をつけておかないと誰かに踊らされてばかりの人生で終わってしまいそうです。気をつけておきましょう。

 

こんにちは。戸敷進一です。

4月もあっという間に最終週です。つまり一年 の 3 分の1がそろそろ終わるということです。普 段たくさんの出来事とニュースが目の前を行き過 ぎていくために、時に時間の経過を忘れてしまい ますが、こうして区切ってみると呆然とするほど 素早く時が過ぎ去っていきます。うっかりしてい ると、フランスの出版社襲撃事件や大韓航空機の ナッツリターン事件、ヨルダンでの ISIS による邦 人殺害、川崎市の少年刺殺事件など随分昔のこと に感じてしまうかもしれません。何人もの大臣が 辞任し、スカイマークが破綻したのもつい先日の ことなのですが、記憶の片隅に追いやりなかなか 思い出せなくなります。 大型連休に入りますが、一度本年の「3分の1 総括」を行ったほうがいいかもしれません。それ ぞれの【年初の誓い】を改めて思い返すのも悪く ないかもれません。(と、書いてる本人が反省 すべきことですが)

昔「バンドワゴン」というアメリカのミュージ カル映画がありました。フレッド・アステアとシド・ チャリシー主演による MGM 映画で、劇中の「ダ ンスインザダーク」はフレッド・アステアの代表 的ダンスと言われるほど見事なものでした。 大学時代、ダンサー志望だった日大芸術学部の友 人にフレッド・アステアの凄さを教えられて以来、 MGM ミュージカルのファンです。個人的にはジー ン・ケリーの「雨に唄えば」よりもこちらの映画 のほうが上ではないかと思っています。 インターネットのない時代に辞書を引きながら 調べた「バンドワゴン」の意味は、行列の先頭の 楽隊車のことで、祭りなどの客寄せなどで隊列を 組んで練り歩く楽隊のことでした。威勢のいい音 楽を演奏しながら人々を惹きつけ、行列の後ろに 並ばせる効果があったのでしょうか。

ある日、心理学の本を読んでいたら「バンドワ ゴン効果」という言葉を見つけ興味を引かれまし た。 「バンドワゴン効果」とは、ある選択が多数に 受け入れられている、流行しているという情報が 流れることで、その選択への支持が一層強くなる ことを指す、という意味です。政治的には、投票 行動におけるバンドワゴン効果とは、事前にマス メディアの選挙予測報道などで優勢とされた候補 者に有権者が投票する傾向になる現象を指しま す。経済学的には、同じ財を消費する人が多けれ ば多いほど、また、他人の消費量が多ければ多い ほど、自分がその財を消費することの効用が高ま るという効果である、ということです。 つまり、先頭で景気のいい話や情報があると、 人々はそれに引きずられてしまう傾向にあるとい う意味です。 そのことを知って以来、さまざまニュースを見 るたびに「バンドワゴン効果を狙っているのでは ないか?」と疑うようになりました。新聞やテレ ビが「景気が悪い!」「アベノミクス効果はまっ たく見られない!」と悲観的な数字を引っぱり出 してネガティブな言葉を並べ立てるのですが、本 当に景気が悪いのならなぜ株価が上がるのか?多 くの企業で賃上げが実施されているのか?外国人 観光客の増加で最高益を上げている企業があるの はどういうことなのか?外国で操業していた工場 が国内生産を増やし雇用を増やしているのはどう いうことか?雇用統計で失業率が以前より大幅に 減っているのはどういうことなのか?・・・ もちろん日銀が巨額の金融緩和を行って景気の 底支えを行っていることは知っています。しかし ながらそのリスクだけを誇大に言い募り、マスコ ミが景気の腰を折ろうとしているのはどういうこ とか?・・・

気をつけておかないと、行列の先頭の威勢のい い音楽に誘われて、何の行列かも知らずに隊列の 後ろに考えもなくついていってはいないか?誰か の言葉に誘われて、自分で考えるということを放 棄してはいないか?自ら情報を取りに行かず、誰 かが書き散らした得体の知れない情報に惑わされていないか? 報道系番組でニュースの冒頭に音楽が流れ出した ら、バンドワゴンの始まりです。悲しい曲、重 苦しい曲、楽しい曲、いずれにしてもある一定 のイメージを植え付けようとしていると考えた 方がいい。報道の中で、声優が悲しい口調や重 苦しい口調で何かを話し始めたらもう危ない。 これは、悲しいことなのだ !これは大変なことなのだ!と情報の中身では なく誘導しようとしているのではないか。テロッ プの文字が斜め文字や強調文字や丸文字だった らまず本当にそうなのかどうか、自分で考えた ほうがいい。多数が支持することが必ずしも正 しいことであるとは限りません。逆に本当に必 要とすることは、少数意見や、何よりも自分の 中の感情や違和感にあるのかもしれません。 以前「思考の補助線」という文章を書きました。 http://goo.gl/mC603z 昨今の情報が大量に溢れかえっている時代に は、自分で考え、自分で感じるということが重 要である気がします。 今週もお元気で。戸敷進一でした。