とじき雑感

組織とは「器(うつわ)」である!

    多くの企業と触れ合っていると、組織はある意味「器(うつわ)」に似ていると思うことが あります。

     

    th_201211_27_55_b0022655_219135「器」の機能は、ものを入れることです。ものは「固形物」のこともありますが、 イメージとしては「利益」という液体を入れるイメージです。 「お猪口(おちょこ)」のような組織があります。「お猪口」なので、多くの水(利益)を入れ ることは出来ません。なおかつ、「お猪口」に液体を入れるためには、注ぐ側の工夫が必 要です。蛇口からであれば、蛇口を絞る必要があります。何も考えずに蛇口をひねると、 勢いがありすぎて、「器」に液体を満たすことが出来ません。つまり、水(利益)を確保す るのに、最大の注意を払いつつ、なおかつ量が入らない。蛇口を絞るだけ絞り、細い状 態にして、あるいは滴(しずく)にまでしてしまわないと、水(利益)を留めることが出来ま せん。

     

    もう少し、大きな「器」になると様子が変わります。大きめの「湯のみ」や「マグカップ」に 水を入れるときは、ある程度の勢いがあっても水を溜めることが出来ます。注意すべき は、水の止め時で、「器」がいっぱいになる前に蛇口に早めに手をかけておき、水がいっ ぱいになる瞬間を見極めればいい。途中のプロセス(勢い)はある程度無視することが できます。また水の出口が巨大な蛇口であっても、流出口全体の一部分に「器」を添え ればその形状の特性によって、何とか水は受けられます。

     

    単なる「飲み水」としてではなく、水の汎用性を持たせたいならば、バケツくらいの「器」 もあります。それこそ水の出口にホースでもつないでおけば、何個もバケツを並べても 水が受け取れます。注意しておかなければならないのは、バケツの並べ方や、水でいっ ぱいになったバケツの移動のほうで、つまり「入れ方」よりも「受け取り方」の方が、む つかしい。しかし、「お猪口」や「湯のみ」などとは比べ物にならないほどの「量」が確保 できます。

     

    「器」が「プール」くらいになると、水を溜める行為も「貯水作業」となります。貯水なので、 流入側にシステムが必要になります。特別な技能を持った人間たちが、流入側の量や タイミングを考え、水がたまるまでの時間までコントロールまで必要になります。そうなる と水を溜めるという行為も思い付きでは出来ず、「設計」という思想が必要となってきます。 「設計」である以上、目的や理念という大前提がなければ組み立てることが出来ません。 「お猪口」とは違う、難しさがあります。

     

    「組織」は「器」に似ています。 「お猪口」のような気軽でありながら入れにくい「器」もあれば、機動力のある「湯のみ」もあり、 「バケツ」や「プール」までさまざまな「器」があります。 落としてしまえば、すぐに割れてしまう「ワイングラス」のようにもろい「器」もあれば、踏み つけてもへこまないステンレス製の「マグカップ」もあります。

     

    経営者は、組織をどんな「器」に仕上げたいのでしょうか。
    「形」「量」「材質」・・・・・。
    ある日、「組織活性化」を説明するレジュメを作成しながら、しきりに「器」について考えて しまいました。

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