今年の「とじき塾・経営者編」に講師としてお招きした【入江吉正】氏が、新刊を出されることになりました。
11月24日発売。
「漂流する国 ニッポン」
~3・11大震災・福島原発事故で見えた〝誰も責任を取らない国の実相~
(フォレスト出版)
すでに「とじき塾」でも、大震災から原発の放射能問題まで、かなり「危ない話」を紹介して頂いていましたが、それが本になりました。
入江氏は、私の大学時代の「先輩」にあたります。大学は違うのですが、報知新聞社(現・報知スポーツ)で数年間一緒に働いた関係です。どういう縁であったか、とにかく氏には可愛がって頂いた。同じ九州出身(氏は佐賀県・多久の出身)というよりも、「相性」としか言いようのない間柄で、ひと頃は24時間ずっと一緒にいた記憶があります。とにかく、理屈っぽい私の話を飽きずに聞いてくれ、なおかつあらゆるジャンルのことを教えてもらいました。私の東京時代の3分の1は、氏と過ごしていたのではないかと思えるほどです。
大学時代を終えて、氏は東京に残り、私は宮崎に帰り、氏はその後「文芸春秋社」で活躍をされました。「月間文芸春秋」に氏の記事が掲載されれば、書店に走り買い求めたものでした。
氏の実質的なデビュー作である「死への扉~東海大学安楽死殺人~」(1996年・新潮社)は、氏から贈呈され、今でも自宅の本棚の「ど真ん中」に置いてあります。そしてその横に、学生時代に氏からもらった多くの「危険な書籍」も並べられています。あれから30年を経て、色あせた「危険な書籍」を、氏の後輩となって早稲田に通う「馬鹿息子」が、また片っ端から読んでいます。何やら、不思議な縁(えにし)を感じます。
すでに、お分かりのように、氏は私の「情報源」でもあります。何事か見当のつかない事象に関しては氏に連絡をする。そして、氏がこう答えます。
「いいか、誰にも言うな。言うと危ない話だから・・・・」
危ない話を随分と聞きました。
「マジですか?」
と何度聞き返したことか。もっとも、危ないので、誰にも言いません。本当は、私の性格としては話したくて話したくて仕方ないのですが・・・。
あの頃の仲間の多くは、ジャーナリズムの世界に進みました。ある新聞社の編集局次長をしている友人から、あの頃の「同窓会」を開くように言われています。
「なんで、九州在住の俺が幹事をしなくちゃならんのだ!」
と文句を言ったのですが、なんとなく骨を折ってもいいような気になっています。
1970年代を東京で過ごした仲間達を東京に集めて、昔話と今の話を根掘り葉掘り聞くイベントも悪くないのかも知れません。「危ない話」もたくさん聞けそうですし・・・。
また来年当たり、「入江吉正」氏を「とじき塾」へ呼んで、「危ない話」をしてもらいたいと思います。