昨年の終わりに書いたメルマガ「南風通信」からの再録です。
読み返すと、もう一度深く考えなければならないような気がして来ました。
こんにちは。戸敷進一です。
いよいよ、年末到来です。子供のころはあれほど長かった一日が、年を経るに従い短く感じるように、一年の長さも歳とともに変化します。50歳を超えると、情けなくなるくらい時がたつのが早いものです。40日弱で年が変わってしまいます。気ばかりが焦りますが、今一度足元を見つめなおす時間も持ちたいと思います。今年は、いくつかの研修で、思いもかけぬ「感性」と出会いました。皆様ご承知のように、思い込みの強い性格で、新しいものや異なった感性に素直に頷くことができないたちなのですが、同じ研修会でご一緒した二人の講師の方の考え方や物事への切り込み方に目を開かれました。
今年は、横浜で「組織活性化プログラム」を開催しているのですが、その中で5S活動の中の要素である【しつけ】にかかわる「接客接遇」の講師をお願いした佐野昭子先生のセミナーでの出来事です。接客や接遇に関する基本的な講義の途中で先生がこういう質問をされました・
「皆さんの中で、自分を好きな人は手を上げてください」
25人ほどの参加者の中で手を挙げた人間は、私を含め5名でした。
「あらら、5人ですか。なるほど・・・。では考えてみましょう。自分のことが嫌いで、他人のことを好きになれますか?他人のことを好きになれなくて、その人に自分のことを好きになってもらえますか?少し考えてみましょうね」
例えば、自分が嫌いだな、と思っている人は、当然のことながらその人も自分のことを嫌いです。逆に相手が自分のことを好きだと思っていてくれると、なんとなくこちらも相手のことが好きです。ありふれた人間関係の基本のような話ですが、先生のような問いかけをされると言葉に詰まります。
【自分のことが嫌いで、他人のことを好きになれますか?他人のことを好きになれなくて、その人に自分のことを好きになってもらえますか?】
接客接遇という他人との関係の話が、いきなり個人の「心の持ち方」の話に変化し始めたところから、組織と個人、個人と他人という複雑な関係について、まったく新しい切り口での解説が始まりました。その説明が間違いなく「本質」を突いたものであることは、参加者たちが身じろぎもせず、先生の話に聞き入った姿に現われています。何枚もメモをとりながら、次々に新しい世界が目の前に開けていくのがよくわかりました。「組織の中の伝言ゲーム」
「習慣は21日で作られる」
「ブリリアント・ウィン」
「自分との対話」
「脳はだまされる」
「聞くと聴くと訊く、の違い」
「幸せになる覚悟」・・・まさに、宝石のような言葉が舞い降りる研修でした。
横浜でプログラムを終えて羽田空港で少し時間があったので、メモをまとめながらこんな文章をノートに書きつけました。
「自分の会社は好きですか?」
さて、研修会で全員に目を閉じてもらい、自分の会社が好きな人は手を上げてください、と質問したら、どれくらいの人が手をあげてくれるのでしょうか。さすがの私も、少し勇気のいる行動です。
「自分の会社が嫌いで、自分たちの取扱う商品やサービスを他人に勧められますか?他人に勧められなくて・・・」12月や1月の「とじき塾」では、そのあたりをきちんと整理して、参加者の方々へお伝えしたいと考えています。12月の開催は12月13日(木)、博多開催です。多数の方々のご参加をお待ちいたしております。
戸敷進一でした。今週もお元気で。