とじき雑感

二種類の「プラス」

    th_00817ある企業の「組織活性化」のお手伝いをしていて、途中で、スタッフの一部から「不満」が 出てきました。
    通常の「仕事」で手一杯のところに「改善活動」なんてできない。おまけに 「マーケティング活動」なんてもってのほかだと言うのです。

    なるほど、通常業務に追われながら、さまざまな仕組みの見直しを行い、その構築のために 何度も会議に参加し、教育をしたりされたり・・・・。そのうちに、「売上」に関する改善のた めに、売上分析やアンケート分析やHP作成やブログ発信が始まる。通常業務は遅滞させるわ けにはいかないので、それぞれが重荷になる・・・・。
    純粋に組織のことを考えれば考えるほど、 その重さが背中にのしかかる。
    「なぜ、いっぺんにいろいろなことをしなければならないのですか。ひとつひとつを段階的に 積み上げていけば納得がいるのですが、何もかも一緒には無理です!」
    実は、何もかもをいっぺんにやっているわけではなく、「5S活動」や「会議システム」とい う仕組みに関する改善を行い、業務と連動して組織配置を変更し、その上でマーケティング活 動の準備を進めているのですが、組織の中では「短兵急(たんぺいきゅう)」な動きに感じて しまっているようでした。
    スタッフの方と話しながら、「いままでの自分たち」に【新しいものを積み上げている】と 感じていることが分かりました。確かに「新しい」ことに取り組むのですから、新たな「プラス」 が始まっている、と感じても仕方ありません。 しかし、実態について「正確な表現」をすれば、【不足しているものを足している】という意味 の「プラス」なのですが、そこがうまく組織に伝わっていないようでした。

     

    組織の「活性化」に関しては、相手の「改善のレベル」に応じた表現が必要です。最初から 「この組織にはこれが不足している!」 と指摘することが正しいとは限りません。改善のレベルに合わせた表現やアドバイスが必要なの です。 しかし、これだけ「変化」の速度が上がり、時代の枠組みの組み換えが進んでいる中では、早い 段階での「宣言」が必要なのかも知れません。

    「改善活動」や「組織活性化活動」は、右肩が上がっていた時代には、純粋に新たな「プラス」 の活動でした。しかし、現在のそれらは、不足しているものを補うための「プラス」活動です。 つまり、「マイナス地点」からの「プラス」の動きとして始めなければならないのです。 なぜならば、伸びている「同業他社」や「異業参入業者」は何年も前からそうした活動をおこな い、その結果として現在他の企業の先を行っているのです。

     

    「プラス」には、二種類の「プラス」があります。
    満たされた地点から積み上げる「プラス」と 不足した地点から何かを満たすための「プラス」です。
    速度においても精度においても、意味が 違います。

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