とじき雑感

イメージをぶち壊せ!

    若いといっても、30歳くらいの年代の人たちと話していると、時折心配になってしまうことがあります。「イメージ先行」とでも言うのでしょうか。自分で調べようとせず、「なんとなく」というイメージで話を進めることが少なくない。論理も「理路整然」としているのだが、どこかの経済雑誌や誰かの「受け売り」のような話が少なくない。
    世間にだまされ続けてきた「世代」なので、そう簡単には人の話は信用しない。国や地方自治体の発表であっても、一度は「眉につばをつけて」内容を吟味する。新聞やテレビのニュースやドキュメンタリーだって、鵜呑みにはしない。ネット情報など「玉石混合」の世界ですから、発言者とソースを確かめてからでなければ、引用すらできません。

    数年前に、こんな文章を書いていました。

     

    【イメージをぶち壊せ!】
    日本の都道府県のうち、一番カラリとした気候をしているのは、北海道、ではない。年平均相対湿度(2007年)で、北海道は68%であり、全国で27位に過ぎない。年間を通して最も乾燥している都道府県は「東京!」。年間の湿度は58%で最も乾燥している。次に群馬県、愛知県、大阪府、和歌山県と続く。ちなみにもっとも湿度が高いのは、富山県の77%で、山形、青森と続く。

    日本の都道府県のうち、もっとも日照時間の長いのは、南国の日差しが眩しい沖縄県、ではない。年間の日照時間(2007年)で、沖縄は1759時間しかなく、全国で39位に過ぎない。

    年間を通して最も日照時間が長いのは、山梨県の2263時間であり、以下、宮崎、埼玉と続く。ちなみにもっとも日照時間が短いのは、秋田県の1578時間です。

    日本の都道府県のうち、年間を通して快晴日が多いのは、もちろん沖縄、ではない。沖縄の快晴日は、年間8日に過ぎず、全国順位でいえば45位で、47位の青森県の6日とほぼ肩を並べる。年間を通して最も快晴日が多いのは、埼玉県の53日で、以下宮崎県、鹿児島県と続く。

    日本の都道府県で最も降水日数が多いのは、当然のことながら、南に位置する九州各県、ではない。九州各地の降雨日は、年によって変動はあるものの、概ね年間80日から90日程度で、宮崎、鹿児島がやや多く120日前後です。それでも宮崎、鹿児島で14位、15位に過ぎない。2007年の統計で言えば、第一位は石川県の160日、二位が富山県の159日
    となる。

    こらぁ!
    若者よ!
    イメージだけで「ものごと」を語るんじゃねぇぞ!

     

    いささか乱暴な文章ですが、現在において重要なことのひとつは、「自ら確かめる」ということではないでしょうか。誰かが与えた数字ではなく、誰かが言っている話ではなく、誰かの言葉ではなく、「自ら」の目と足と頭を使う行為こそ、これからを切り開いて行くエネルギーであるような気がします。
    日曜日の午前中にある「報道番組(もどき?」を見ていたら、年寄りばかりのコメンテーターが、ぼそぼそと話をしています。縁側でお茶を飲みながら世間話をしているような風景です。そこには「現実」はなく、気の利いた「提言」もなく、70歳近い司会者が学級会のようなまとめ方をしている。
    「毎週、あの番組を見て時代を考えています」
    と、ある組織の社長が言ったとき、内心で頭を抱えてしまいました。
    「おいおい、そりゃぁねぇだろう・・・・。あんた経営者じゃねぇか!じじぃ、ばばぁ、の話はどこか別のところで聞けばいいじゃねぇか。そんな番組で時代なんか感じてる場合じゃねぇだろう・・・」

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