時代の変化は、「目の前」で起るよりも先に、「遠い所」で起ります。
例えば、「ワープロ専用機」全盛の頃に、「コンピュータ」は何となく、遠い所 のものであるように感じていた人たちは少なくありません。「Dos-V」など自分に は関係がないと思っていたのですが、ある日、技術革新として「Windws」が発表 された途端、雪崩を打つように「パソコン」へ移行し、「ワープロ専用機」はあっ という間に消えてしまいました。そんなに昔の話ではありません。今から、17年ほ ど前のことです。 自分は変わらないつもりでも、社会や周りが変化すれば、個人の「やり方」も変え なければ「次の風景」の中で動くことはできません。
「次の風景」に参加できなけ れば、組織も個人も消えていく以外にありません。
「遠い所」の話です。 かつての松下電器、現在のパナソニックは、2012年の新卒採用枠1390人の う ち、全体の約8割の1100人を海外採用枠で採りました。「
「遠い所」の話です。 ユニクロを展開するファーストリテイリングは、2012年をめどに社内会議を英 語で行うとともに、12年入社の新卒社員の3分の2を外国人から採用しました。
「遠い所」の話です。 マンション販売大手の大京では、今後日本で働く外国人向けの業務対策を見据え、 新規採用のの4人に1人は外国人となります。
「遠い所」での話です。東芝では、06年から積極的に外国人の採用を行ってきましたが、その採用条件は「 日本語を話せることを採用基準としないこと」です。
さて、「遠い所」の話なのですが、本当に「遠い所」の話なのかどうか、冷静に考 えてみる必要があります。
個人的な経験ですが、「iPhone」を買った時も、「iPad」を買った時も、最新の「MACパソコン」を買った時も、私の対応をしてくれたのは、すべて中国の人でした。 博多駅近くの「量販店」での話ですが、彼らが日本人より劣っている対応をしていた とは思いません。むしろ、「熱心さ」に関しては、日本人以上に「熱心」で、同時に 「誠実な」対応をしてくれました。すべて、ここ数年間に私が体験したことです。
博多駅で、新幹線の切符を買っている最中に、隣の窓口に中国人の旅行客が立ちまし た。その途端、隣の窓口の係員は突然流暢な中国語で対応を始めました。10ほどもあ る対応窓口で、西洋人のカップルを相手にしている女の子は、当然、英語でチケット の販売をしています。
東京の品川駅近くの「中華料理店」の店主は、私と日本語でやり取りした後、ごく自 然に私の隣に座った「ドイツ人」と流暢なドイツ語で会話を始めました。
さて、「遠い所」で何が起っているのでしょうか。
「目の前の風景」だけを追いかけていると、見失ってしまう「遠いt所の風景」があり ます。
時代の大きな変化は、「遠い所」から始まります。アンテナを立て、時代の感 性を磨いておかなけらば、気付きもせず、知りもせず、そのまま時代の大波に飲み込 まれてしまいます。
外国人のことだけではなく、慌しい、忙しい、が言い訳にならない時代になりました。 「変質する社会」の中で、組織と個人はどのように立ち向かえばいいのでしょうか。 「覚悟」が問われる時代だと感じています。
さて、皆様方の「覚悟」はいかが?