福岡市内を歩いていると、いたるところにこんな「広告」を見かけます。
福岡市は、本年の5月に人口150万人を超え、政令指定都市である京都市(146万人)を抜いて全国第6位の街になりました。人口の増加は今後20年ほどは続くと予想され、3〜4年以内には神戸市の人口(153万人)を抜き全国第5位は間違いないと言います。
(政令都市順位)
1位 横浜市 370万人
2位 大阪市 270万人
3位 名古屋市 230万人
4位 札幌市 200万人
5位 神戸市 153万人
以下、福岡市、京都市、川崎市、さいたま市、広島市と続く
福岡になぜ人が集まるかというと、福岡が九州全体の中心だからです。とにかく学校が多く、九州各地の若者の受け皿としての役目が大きい。当然若者が多いため、消費地としての特徴が際立っています。そしてそのまま福岡で就職をした若者が、生活の基盤を福岡から始めるのです。もし福岡がなければ、九州の多くの若者達はストレートに関西や関東を目指し、九州の空洞化は一気に進みます。
(全国主要都市学生比率トップ5)
京都市 94.8人
東京23区 55.4人
福岡市 54.2人
仙台市 48,6人
神戸市 45,4人 (学校基本調査より)人口1000人あたり
おまけに、住民の平均年齢はトップクラスで若い。全国平均が46歳を超えるときに、福岡市は40,8歳です。
だから若い福岡市長は大はしゃぎをして、冒頭の写真のような広告を繰り広げるのです。
もっとも課題は多く、福岡市の15歳以上の被雇用者に占める非正規雇用の割合は、00年の約15%(約7万6180人)が、10年には約36%(約18万8000人)に増えています。正確に書けば「貧乏な若者」が少なくない。また、市内の刑法犯認知件数(10年)は人口1000人当たり19・08と政令市では大阪、名古屋に次いでワースト3位でした。
まぁ、ひとつの街の成長には、明も暗もあるということでしょう。
ただし、外国人から見た福岡は実につまらない街に見えたという話をある自治体の方から聞きました。
中国の上海市から来た人物は、日本を代表する全国有数の街として訪問したところ、あまりにも「ノッペラボー」とした街の佇まいに驚いたというのです。確かに福岡は空港が近くにあるために、航空法の制限を受け、高さ60メートル以上の建物を立てられないのです。
「日本って、こんなものかい?」
それが、その中国人の感想だったそうです。
ちなみに、上海の2012年6月時点の常住人口は2,400万人、市内総生産は2兆0,101億元(約31兆円)です。(ちなみに福岡県のGDPは18兆円です)
比較することに意味は無いけれど、「知っておくこと」には意味があります。
時に、こうして「数字」を追いかけると、自分の持っている【常識】がミシミシと音を立てることがあります。
このミシミシという音が大事です。