ある雑誌記事で、最近の若者はパソコンが使えないという話が出ていました。スマートフォン発売から8年(iPhone発売2008年)、タブレット端末の普及から6年(iPad発売2010年)が経って、指先とアプリで何事も済んでしまうのでコンピュータ技術を身につける必要がないという話でした。
同時にあるネット記事で、最近の若者の中には一度もCDを買ったことがない、漫画以外の書籍を買ったことがない者がいるという記事を読んで驚きました。何やら眉につばを付けそうな話ですが、自宅にCDプレーヤーがないという話を聞くと、ひょっとするとそんな世代が現実に存在する可能性はないとは言い切れません。
企業組織は、営利を目的にしつつ組織上で動くのでさまざまな決め事や制約があります。そしてその最低限のルールが「社会人要求」と「組織人要求」です。
社会人要求とは、
①社会人としての自覚(認識)を持っている
②社会人としての役割を理解している
③社会人として他人に迷惑をかけない
というものです。具体的に言えば、挨拶、服装、電話対応、名刺交換、敬語、手紙、メール、席順、姿勢などといった要素をきちんと満たしていることです。
組織人要求とは、そうした社会人要求を果たした上で、
①組織の目的・目標を理解している
②組織の中で自分の役割を自覚している
③実際に行動している
ということです。具体的には、報告・連絡・相談(ホウレンソウ)、会議参加、書類提出、コミュニケーション、能力向上などという組織活動に必要なスキルを備えているというということです。
こうした2つの要素は、本来学校教育や社会に出る前に「常識」として身につけておかなければならないことでした。しかし昨今では親や教師にそうしたスキルがないために、若い世代にうまく伝わってはいません。そして昔は会社に勤めた時に、ベテランや鬼軍曹的な上司が徹底的に再教育をしていたはずなのですが、現在ではそうした教育まで「パワハラもどき」の扱いを受けて組織で真剣な取り組みとして扱われてはいないようです。