日曜日の夜、実家のある宮崎から博多に帰ってきて、ネットの記事を眺めていたら、こんな結論で締めくくられていた文章にぶつかった。
〜「パソコン全時代」の到来と「失われた20年」とが起点をほぼ同時期とするが、偶然だろうか。 筆者には「パソコン全時代」が複合的な負の素因の中の一つを担っているような気配が感じられて仕方が ないのである〜
https://www.sanin-chuo.co.jp/column/modules/news/article.php?storyid=528026035
元、大学教授らしいのだが、近年これほど「ひどい」文章を読んだことがなかったので、思わず頭を抱えてしまいました。
「パソコンを職場に導入してから労働環境が変化して、それによって日本経済は凋落した」
と言いたいようなのですが、その論旨がめちゃくちゃなのです。
まず、PCやITが普及したのは世界的な傾向であり、それが日本停滞の原因である訳がない。
おまけに、PC導入による「事務処理能力、生産性向上」をまったく理解していない。(昔風のやり方で仕事をして、組織が生き残られるものなのかどうかを顧慮しない)
最大の「誤謬(ごびゅう)」は、経営者が時代の変化を読み損ね、従来型のやり方に固執したからであって、それを「道具」のせいにしてしまうおかしさにまったく気づいていない。
書かれた方の年齢が「69歳」であることを差っ引いても、「ひどい」文章であることは変わりない。組織における【意識】と【仕組み】を忘れてしまうと、こんな中学生のような「感想文」が堂々と「新聞」に載ってしまいます。
実は、その前日、友人の娘さんの結婚式に呼ばれ、来賓者の「挨拶」を聞きながら同様の「感覚」を覚えていました。
新婦の勤める幼稚園の理事長さんのお話でしたが、「うさぎとカメ」の童話を引用して
「新郎新婦ともに、カメさんのように目標を定め、一歩一歩進んでいただきたい」
というような内容でした。そして、その陳腐さに呆れ返ってしまいました。年齢としては「60代後半」とお見受けした方の発言ですが決して
「負けないウサギになりましょう!」
とは言わないのです。
「他人と自分を比較しない」
「一歩一歩着実に」
「真面目にコツコツと」
どれも正しい言葉なのですが、一向に心に響いてこない。
前提として「負けないウサギにならないように」という思想がなければ、どれも時代にあった言葉とは言えない。
「真面目にコツコツとやっている人間からリストラされる時代ですから」
という発想はどこにもない・・・。
おーい、若者たち。じいちゃんたちの言葉に惑わされるんじゃねぇぞ。
時代は動いている。その時代に合わせた自分の「哲学」を持つんだぞ。
従来型の「延長線上」には、幸せはない。
待っていて、いい事など、これからはやって来ない。
会社一の「パソコン使い」になってくれ。
会社を飛び越えて、地域一、業界一の「パソコン使い」になってくれ。
「負けねぇウサギ」になろうじゃないか!
「不愉快な言葉」との戦いは続きます。