「組織の数字を社員には教えたくないのです」
という経営者は少なくありません。同時に
「全社一丸にならないと戦って行けません」
ということに関して、一番切実に感じているのも経営者です。
【絶対利益】は、組織にとっては「存続利益」と言ってもいいものです。
以前、ある会計人から
「絶対利益などを追求しても会社は伸びない!」
と、ある書籍で、名指しで言われたことがありますが、組織活性化の観点からすれば、「絶対利益」を明確にしなければ、経営計画で示されるさまざまな数字など到底組織に落としこめるはずはありません。実際に、組織活性化活動の最先端に長く身をおいている立場から言わせてもらえば、組織の中で、福利厚生、租税公課、減価償却などという費目を正確に理解している人間がどれくらいいるか、一般管理費や販売管理費の意味をどれくらい理解しているかを想像してみていただきたい。ましてや、設備投資や借入返済金までを含んだ数字を並べて、果たして組織の隅々まで浸透するかどうか・・・・。
「仕事があってもなくても、この金額を集めなければ給料もボーナスも払えない」
「この金額を集めると、ボーナスを払える!」
「この金額を集めるために、みんなで何をすればいいだろうか?」・・・
ここで、全員で取り組んでいる【5S活動】が効いてくるのです。
危機意識の共有~5S活動の取組み~コミュニケーションの向上、という「流れ」のなかで、「絶対利益」が見えたとき、組織の行動は大きく変わります。
組織に「利益」の考え方を伝えるとき、私は「変動費」という言葉を使いません。私の造語ですが【外出金】という言葉を使います。
「道具を買えば、外出金が発生する。材料を無駄に使えば、外出金が増える。5S活動で、なぜ機械や道具の点検整備というルールが生まれたのか分かりますか?倉庫を整理・整頓しておかなければならない意味が分かりますか?」
「絶対利益」は、組織にとっての起爆剤です。