組織活性化コラム

「爺ぃ」の軽さ?!

    YMOとは、「イエロー・マジック・オーケストラ」のことで、1970年代から80年代前半にかけて全世界を席捲したテクノミュージックグループです。西洋のポップミュージックを白魔術、黒人のソウルミュージックを黒魔術と呼ぶとすれば、それらとは違う黄色魔術、すなわちアジアから発信する音楽があってもいいのではないのか、というコンセプトから作られたグループです。少しだけ専門的な話をすれば、その頃「日野皓正(ヒノテル)」や「渡辺貞夫(ナベサダ)」などが、蔑称ではなく「イエロージャズ」という呼び名で世界に受け入れられていたのに似ているかもしれません。
    そのYMOのメンバーである「坂本龍一」は、その後アカデミー賞を受賞するような世界的な音楽家として有名です。4歳年上のこのアーティストとはほぼ同世代と言ってよく、「リアムタイム」でその音楽や言動を見て聞いてきました。

    その彼が、数週間前、代々木公園での「反原発集会」でマイクを持ちこう発言をしました。
    「たかが電気のためになんで命を危険にさらさないといけないのでしょうか。子どもを守りましょう。日本の国土を守りましょう」
    以前から「心情左翼」を公言し、著作権やリサイクル法(PSE法)に関して積極的に発言していたので彼らしいといえば彼らしい。何気なくそう感じていたのですが、活字でその記事を読んだとき、名前の下に【60歳】と書いてあり、少々驚き、腕組みをしてしまいました。

    「60歳」といえば、結構な大人というよりも、既に【爺ぃ】です。若い時代の発言ならいざ知らず、爺ぃの発言として聞くと、??・・・。
    電気が不足すると、まず医療系組織が困ります。何しろ、冷暖房だけではなく生命維持装置にかかっている患者の命は、電気が握っています。同時に、警察・消防・国防などの治安活動はどうなるのか。交通、通信、情報インフラはどうなるのか。製造系企業にとっては、電気の有無は死活問題です。すべての「社会システム」や「個人生活」は電気なしでは成り立ちません。
    弊社のクライアント先でも「計画停電」に備えて発電機の準備やサーバー保全の設備投資に追われています。きちんとした製品やサービスを提供するためには「高品質な電気」が必要なのです。そこで「たかが電気」と言われると、20歳前後の「若造」ならばともかく60歳の「爺ぃ」の言葉としては軽すぎる!社会に対する想像力や未来に対する想像力が欠けている!

    気をつけておかないと、組織の中の「ある世代」にこの軽さがあるんです。「50歳」を超えているにもかかわらず、変に若者に迎合し、言わなければならないことを言わず、教えなければならないことを教えず、もの分かりのいいオヤジを演じている奇妙な世代がいるのです。

    私、坂本龍一が決して嫌いではないのです。レコード(CD)も何枚か持っています。同時に、単純な原発推進派でもありません。ただ、気をつけておかないと、思わず「軽いことを言ってしまう世代」に属しているということを十分自覚しているのです。

    組織の中に「軽い爺ぃ」がいたら、頭を「ペチ!」してあげてください。

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