ある日、時事通信のサイトでこんな記事を見つけました。「深夜の閉店、じわり増加=来客減で-外食チェーン」というもので、24時間営業が当たり前だった外食産業で夜間の営業をやめるところが増えているというのです。2013年には「ガスト」で約650店舗、マグドナルドで400店舗以上が24時間営業を止めたといいます。「ライフサイクル」の転換などと呼ばれ、コンビニやアミューズメント系ショップで行われてきた「24時間営業」も曲がり角を迎えるのかもしれません。

何しろ日本人の平均年齢は「46.6歳」ですから、30年前(1980年代)の勢いのある社会ではありません。経営や経済は社会的環境によって変化するものですから、こうした時代変化に則した動きは今後様々な場面で顕在化してきます。

このところの政治や経済の動きは「基本」へ立ち返っている部分があります。国防や外交、給与や雇用などいずれも以前とは違う動きを示しています。ユニクロや東京ディズニーランドではアルバイト・派遣社員の正社員化を進め、大手デパートでもパート社員の月給化や昇給などを始めました。低下する労働人口対策という側面もありますが、それ以上に経営に対する「本質的回帰」が始まっています。

本質とは、あるものがそのものであると言いうるために最低限持たなければいけない性質のことですが、簡単にいえば「100年前に正しかったこと、今も正しいこと、100年後も正しいこと」です。つまり、【当たり前】と呼ばれることです。

 

「定義」を定義する

現代企業組織の課題のひとつは、価値観の多様化です。様々な年代や性別、経験や職位によって、いろいろな考え方が組織の中に存在しています。それらのベクトルをどのように合わせるかというプロセスにおいて、情報の量が増えすぎたために価値観の統一が難しく、経営者が頭を痛めています。それを打ち破るためには、経営者は今一度組織内の「定義」を明確にする必要があります。

定義とは「コミュニケーションを円滑に行うために、ある言葉の正確な意味や用法について、人々の間で共通認識を抱くために行われる作業」です。一般的にそれは「○○とは・・・・・である」という言い換えの形で行われ、基本的に定義が決められる場合は1つです。これは、複数の場合、矛盾が生じるからであると定義されます。

つまり、経営者自らが「会社とは・・・」「会議とは・・・」「報告とは・・・」「教育とは・・・」「情報とは・・・」「役割とは・・・」という組織内で使う言葉の意味をきちんと定めなければならないということです。

そしてもっとも重要な事は、組織内で定義ができるのは経営者だけであるということです。

 

①経営者 ・・・ 様々なことを「定義」する人
②経営幹部・・・ その「定義」を共有する人たち
③業務幹部・・・ 「定義」に基づき業務を管理する人
④一般社員・・・ 定められたルールに基づき働く人


経営者の責務は多岐に渡ります。売上、利益、設備投資、採用、育成、新商品開発、品質向上、サービス考察、ネットワーク構築・・・。しかしながらそれらを処理する中でもっとも重要な事は、横文字の並んだ経営書を読む前に、手頃な経営セミナーなどに参加する前に、経営目標を達成する組織の再構築です。

組織の中で「言語」が明確でなければ意思は伝わりません。言葉が定義されていなければ、そこで働く人々の行動がぶれて来ます。もし思い通りに組織が動いていないとすれば、まず経営者自らが自分の言葉で様々な事を定義することです。

「本質への回帰」が始まっています。経営者や経営幹部、後継者は社会の小さな動きを捉え、それを自分なりに分析し、次の手を考えなければなりません。