基本的な「教育・訓練」期間は【3年】です。

小学校が、低学年3年、高学年が3年の6年間。中学、高校がそれぞれ3年。大学が3年間の授業と、1年をかけて「卒業論文」を要求している事を考えれば、教育の根底に「3年間」という単位が埋め込まれていることに気付きます。

そして、日本には、何事かを習得するために必要な期間のことを「石の上にも三年」という言葉で表しています。

 

つまり、「教育」は3年間が基本的な期間です。

 

佐賀県の企業様の「組織活性化活動」をお手伝いするようになって、3年目になります。各事業所が全県にまたがり、当初「全社的な活動」がなかなか出来なくて、一時期もたついた印象があったのですが、3年目を迎え、驚くほどの変貌を遂げました。

 

①認識・・・組織に属する人たちが、時代変化と危機意識を共有し、このままではいけないと気付くこと

②5S活動・・・組織が一丸となって、「組織で決められたこと」を守る体制が出来上がること

③絶対利益・・・売上に関わりなく、組織が必要とする「金額」を全員で集める体制作り

 

地域や業種、事業規模に関わらず、中小企業が「時代適応」するための組織変化は上記のようなプロセスを辿ります。

無論、「経営計画」や「マーケティング活動」という組織業務の根幹をなす活動も必要なのですが、そうした動きは、組織が「活性化」していなければ、一部の人間たちの「独りよがり」な活動に終わってしまいます。「経営計画」は立てているけれど、絵に描いた餅で終わってる組織は少なくありませんし、「マーケティング」のためにチラシを作り、HPを新設しながら、まったく効果の出ていない組織もたくさんあります。つまり、活動が「点」になっていて、つながりのない動きを重ねているのです。

 

財務コンサルを入れて、リストラを断行したけれども、社員のモチベーションが下がり、そのままジリ貧になってしまった組織

 

社員に対する評価制度を導入したにもかかわらず、借り物の仕組みであったために、組織がガタガタになり、優秀な連中が辞めていった組織。

 

「売れるHP」というキャッチコピーにつられてHPを新設したけれども、組織の体制が一向に整わず、HPが開店休業の組織。

 

ISO(国際標準)システムを導入すれば組織が良くなると思っていたにもかかわらず、まったく変化しなかった組織。・・・・・

 

どんなに「仕組み」を整えたところで、その「仕組み」を動かすのは「人」ですから、その人たちの【納得】がなければ、「仕組み」は機能しません。ましてや、組織の究極の目的である「社会的発展」の源泉である利益」に関わる「仕組み」や「活動」は、意識改革が伴っていなければ達成できるのものではありません。

 

「そんなにあくせく働くことはねぇ。俺たちは給料さえちゃんともらえりゃぁいいんだから・・・・」

 

そうした考えの人間の集団が、大変化の中で、今後「生き延びて」いけるかどうか、一度真剣に考えておかなければなりません。

 

①認識・・・・意識改革

②5S活動・・・・体制改革

③限界利益・・・・行動改革

 

組織活性化活動の根底には、そうした「要素」が含まれていて、同時にこの3つの「改革」が進んだ時、「人」が育っています

組織の中で「人」が育ったかどうかの判断基準は「自分達の言葉で、組織のことが語れるようになったか」という一点に尽きます。

活動当初は、「借り物の言葉」で組織を動かそうとするのですが、実際に組織を触り、組織に向って語りかけ、行動を起こさせるうちに、【自分達の体の中を通った言葉】が出てくるようになる。逆に言えば、そうした【言葉】が出てこないようであれば、組織活性化活動は「借り物」であり、組織には浸透しません。

 

2ヶ月ほど前、前出の佐賀県の企業で、【自分達の体の中を通った言葉】を聞きました。3時間ほどの全体研修の中で、「推進チーム」のメンバーが、自分達の言葉で、組織の課題を語り、自分達の言葉で「自社に必要な絶対利益」の話をしました。自分達の「言葉」で語りかけるのですから、参加した組織の人々が何ものかを感じないはずはありません。

その後、研修のまとめとして演壇に立った私は、準備してきた「資料」をまったく使わずに1時間ほど話をしました。

冒頭、私が言った言葉は

「今後、この組織に【他社事例】は一切持ってきません」

というものでした。

言い換えれば、すでに「他社事例」などその組織には必要ではなくなっているのです。

 

経営者が押し付けた「利益に関する数字」ではなく、経営幹部が指摘した「課題」ではなく、ましてやコンサルタントが指摘する「他社との比較」ではなく、【自ら考え、自ら行動する人たち】が出現している以上、「他社の取組み」は意味をもたないのです。

 

そうなると、コンサルタント側は、いささか慌てる。「他社事例」が使えない以上、それから先の付き合いは【真剣勝負】にならざるを得ません。

【真剣勝負】、つまり、一瞬も気が抜けず、組織の活動の一挙手一投足を見極めて、適切なアドバイスを繰り出していかなければなりません。

無論、コンサルタントの立場からすれば「望むところ」なのですが。

 

今日、福岡の別の企業の「研修会」に参加してきました。

この企業でも【自分達の体の中を通った言葉】を聞きました。

一年間に、仕事があってもなくても必要な金額【絶対利益】を「算出」し、年度の途中で、数人のリストラを行い、社員の給与を下げ、痛みに堪えながら【絶対利益】の下方修正を自ら行った組織です。「改善リーダー」が、ひとつひとつの数字のもつ意味を説明し、業務リーダーが「自分の言葉」で今後の活動の方向について語りました。

そこでもまた、用意した「資料」の一部を使いませんでした。つまり、「他社事例」が不要になっているのです。

 

「他の企業がどうであれ、自分達は・・・・」

と言い切れるようになっているのです。

当然、この組織とも新たな【真剣勝負】が始まります。