大正元年は「1912年」です。来年は「2012年」なので、100年目に当たります。
来年、「創業100年目」を迎える企業様が大阪にあって、年末のご挨拶にお伺いしました。
簡単に、100年と言っても、世代数で言えば「3世代」です。おまけに、激動の20世紀と混迷の21世紀にまたがっているので、その道筋は平坦ではなかったことは良く分かります。
手元にある「日本近代史」をめくるだけで、その波乱に満ちた風景を想像することができます。
第一世界大戦は、1914年のことです。ロシアのロマノフ王朝が滅亡したのが1917年、日本のシベリア出兵は1918年。1923年には、「関東大震災」が発生し、1929年の世界恐慌により、全世界が緊張状態に陥り第二次世界大戦へ突き進むのです。そして、戦後の高度成長と長期低迷の大きなサイクルの中で、好景気と不景気が交互に押し寄せ、2011年を迎えています。
その平坦ではない道筋を、歩き切り、乗り越えてきた組織だけが「百年企業」を名乗れるのです。
普段は、政党や政治家の名前を持ち出し、あるいは地域や業界の特異性を持ち出して語られる景気ですが、実際にはこうした大きなうねりの中で起きている現象であることは「百年スパン」で考えると良く分かります。
「3年前から取り組んできた【組織活性化活動】があったので何とかここまできました」
お世辞にしろ、社長様にそういっていただけたのはうれしい話でした。3年前、初めてお伺いした時とは「別人」のように【タフ】な組織になっています。
「来年の【とじき塾】には、毎月専務が幹部候補生を連れて通います」
というお話もして頂きました。
社会や経済という【時代】は、ねじれた状況を示しています。そのねじれと戦うために、多くの個人と組織が奥歯をかみ締めて戦っています。ねじれの証拠は、業界や地域が苦しんでいるのではなく、組織そのものが苦しんでいるということです。不景気だといわれる地域で業績を伸ばしている組織もあれば、業界として苦しいながら伸びている組織もある。つまり、本当の課題は【組織間格差】にあるのです。
大阪でいくつかの企業へ年末のご挨拶を済ませ、新大阪駅へ向かうと、下り方面の「新幹線」が人身事故で全面運転見合わせでした。新幹線の改札口は人であふれ返り、ホームもまた長蛇の列でした。指定券の発行が中止だったので、私もその列に並びました。
寒風の吹くホームで、いつ動くか分からない新幹線を待ちながら、【百年企業】の凄みについて考えました。思惑通りに動かない状況とアクシデントの連続を乗り切った組織力の源泉は何だったのだろうか・・・。
博多に帰り着いたのは23時近くでしたが、不思議と疲れてはいませんでした。
どうやら「百年企業」に改めて新たな元気をもらったような気分でした。