昨年の初夏に書いた文章です。
こんにちは。戸敷進一です。いよいよ2012年も半分が終わろうとしています。3.11があった2011年はあっという間に過ぎて行きましたが、この分では2012年もあっという間に過ぎてしまいそうです。何も歳を食ったからそう考えるのではなく、あまりにも周りの変化が早すぎてついていけなくなってきているようです。
Docomoの夏モデルの携帯電話がすべてスマートフォンであったことに驚きました。
ホンダがインスパイアやレジェンドの生産を中止を決め、フィットや軽乗用車に資源集中をします。
同様に、三菱がパジェロミニの生産を中止し、ダイハツがテリオスキッドの生産を中止しました。
住宅産業のテレビCMではソーラーや蓄電池設備が標準装備などと言い始めています。・・・
政治や経済が停滞しているように見えるその足元で、凄まじい速度で社会の風景が変わろうとしています。これから数年で起こる変化は、「安全」や「安心」という本質から発生したものなので、「質的変化」を意味します。つまり一過性のはやりなど言うものではないので、組織や個人はそれぞれの変化にきちんと対応しておかなければ、一気に置いてけぼりを食らうでしょう。「電気情報」に気を配り、「天候情報」に気を配り、「海外情報」に気を配らなくてはならない時代なのです。
さて、インドでは、象を飼う時に、象の足をロープで杭につなぐそうです。象の力をもってすれば、その杭を抜いて逃げることは簡単なのですが、なぜか象たちは杭を抜こうとしないのだそうです。なぜかといえば、象たちは、子像のころからその杭につながれ養われていました。そして、子像のころ何度も杭を抜こうと試みて抜けなかったので、自分にその杭を抜くことはできないと思っているといいます。そして、大人になって杭を抜く力がついているにもかかわらず象たちはおとなしく杭につながれているのだそうです。
知らずしらずのうちに「限界」を自ら作っているというたとえ話としてよく聞く話なのですが、昨今の時代変化の中では随分重みを持った話のような気がします。
「限界」を作っているのは、自分なのではないか。
「それは無理だ」
「それは出来ない」
「やっても無駄だ」
やる前からこんな言葉を出してしまう「組織」や「個人」は少なくありません。「象の杭」に縛り付けられた精神では、過酷な時代変化の中に消えてしまうかもしれません。試しに力を込めて「杭」に立ち向かってみたら、あっさり「杭」が抜けた、ということもあります。
梅雨はあとひと月くらいでしょうか。
今週もお元気で。
戸敷進一でした。