2012年の1月に書いた文章です。読み返すと、何やら今こそふさわしいような気がしてきました。再掲載します。(メルマガ「南風通信」からの再録です)
新年、明けましておめでとうございます。いよいよ、2012年の幕が上がりました。本年もメルマガ「南風通信」をよろしくお願いいたします。
子供の頃には、クリスマスや正月で何やらワクワクしていた年末年始ですが、昨今は不穏な空気がどことなく漂い、年代を問わず、スッキリとした年明けとは言えないようです。
「最近の社会に欠けているのは、着実、確実、誠実、事実、現実という【実(み)】ではないか。【実】がつくまでには、プロセスが必要なのに、そのプロセスを省いて結論を得ようとする人たちが増えているのではないか。プロセスを理解していないので、結実しない。プロセスを理解していれば、目の前の変化に右往左往することは少なくなるはずだ」
年末、大先輩にあたる方からそんな話を聞きました。
確かに、新聞やテレビが、提供する「話」だけで世の中が動いているわけではありません。世界経済や国際情勢や社会変化を過大に捉えると、目の前のことが見えてこなくなることがあります。
むろん、そうしたことを無視していいわけではありませんが、週刊誌のタイトルのように扇情的なイメージで捉えてしまうと身動きが取れなくなってしまいます。
「不安の原因は、これからどうなるのかな、と考えるから不安になるのであって、逆に【こうありたい!】と決め込んでしまえば少々の荒波など怖くなくなるはずだ。決め込みが大切だ」
これもまた、大先輩の言葉です。
「情報が多すぎるのかもしれませんね」
「その通りだ。次から次に垂れ流される情報もどきに踊らされてはならない。本当に必要な情報はそんなにたくさんあるわけではないんだよ。インプットが増えれば処理すべき事象が増えるだけのことだ。余計なことを知ったばかりに物事の本質が見えなくなっているのではないか。むしろ、情報を絞り込み、行動を決め込むことの方が重要なのじゃないかな」
「個人の確立が必要ですね」
「そうだ。社会や組織のことを考える前に、何よりも個人が【こうありたい!】と心から願わなければ何も変わらない。同時に、そのことをサポートするのが君達の役目なのではないかな」
年末の慌しさの中で、人生の大先輩に当たる方とそんな会話をしました。
さて、2012年のスタートです。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今週もお元気で。戸敷進一でした。