第23回参議院選挙の結果がよほど面白くないのか、若い知り合いが口を尖らせて、自民党の大勝を罵っていました。
「憲法改正が進んだらどうするんですか？」
「アベノミクスが失敗したら日本はおしまいですよ！」
「徴兵制が復活したら、戦前と同じような出来事が起こります！」
「中国や韓国との関係が冷えきってしまったら日本の産業は破滅します！」
「TPPで日本は滅んでしまいます・・・」
どうやらネットで仕入れた話を鵜呑みにして、みんなの前でひけらかしてみたいようでした。
最近少々困るのは「自分の体を通っていない言葉」を軽々しく口にする若い世代が増えてきたことです。誰かが書いていた話、誰かが言っていた話、ネットの片隅に書き込まれていた話、テレビ番組にひょこひょこ出るような三流政治家の与太話、芸人と区別の付かないコメンテーターの話・・・。そんな話をさも自分で考えついたように語る若者が少なくないのです。
そんな時、少しは大人になった私は反論せずににこやかにしていることにします。反論するのには「エネルギー」が必要です。同じエネルギーを使うなら、もっと別の有意義なことに使いたいので、「ガキ」には反論しないことにしています。
「どう思いますか？」
その鼻持ちならない若者がいきなり私にそう問いかけてきました。
「まぁ、選挙なんて【オセロゲーム】みたいなものだから、あんまりカリカリしても始まらない」
「はぁ、自民党が65議席も取ったんですよ。もっと危機感を持って社会を見るべきではありませんか！」
いささか不遜な口調で若者が私に突っかかってきます。
「そうかい？でも以前に自民党は70議席近く取ったことがあったはずだよ。それからすりゃぁ65議席なんて大した数字ではないよ」
「そんなことはないでしょう！」
「一度調べてごらん。選挙結果は【オセロゲーム】みたいにくるくる動くんだ。一回の選挙結果で大騒ぎをするものじゃないよ。それに国会議員の3分の2を取ったわけでもない。憲法、憲法と馬鹿な左翼政治家に踊らされないほうがいいよ。日本人はそんなに馬鹿じゃないからね」
「そうですかねぇ」
10年前の私なら、「自分の体を通っていない言葉」をしゃべる若者の首根っこを押さえ、「自分の言葉」をしゃべるように説教をするのですが、あまりにも「嫌な感じの若者」だったのでそれ以上関わることを止めました。
しかしながら、どうせその「感じの悪い【クソガキ】」は決して自分では調べないはずなので、おっさんが調べることにしました。
2013年 23回参議院選挙 自民65 民主17 （第2次安倍内閣）
2010年 22回参議院選挙 自民51 民主44 （菅内閣 民主敗北）
2007年 21回参議院選挙 自民37 民主60 （第1次安倍内閣）
2004年 20回参議院選挙 自民49 民主50 （小泉内閣 自民敗北）
2001年 19回参議院選挙 自民64 民主26 （小泉内閣 民主敗北）
1998年 18回参議院選挙 自民44 民主27 （橋本内閣 自民敗北）
1995年 17回参議院選挙 自民31 新進22 （村山内閣）
1992年 16回参議院選挙 自民69 社会22 （宮沢内閣）
1989年 15回参議院選挙 自民36 社会45 （宇野内閣 自民敗北）
「ガキィ！どっかの誰かの言葉を借りてきて、偉そうなことばかり言うんじゃねぇ！」
「自分で調べて、自分で考えて、自分の言葉でしゃべれ！」
「若者の特権は勝手なことを言うことじゃない！新しい考えを言うことだ！」
「いつまでも、いつまでも借り物の言葉を口にするんじゃねぇ！」
少しは大人になった私は反論せずににこやかにしていることにします。反論するのには「エネルギー」が必要です。同じエネルギーを使うなら、もっと別の有意義なことに使いたいので、「ガキ」には反論しないことにしています。
くそう、変なエネルギーをまた使っちまった・・・。（反省）
