組織と群衆の一番の違いは「目標の共有」の有無にあります。
ある場所に同じ時間に集まり同じ目的を持っていたとしてもそれをもって組織とは呼ばない。例えば、コンサートや映画鑑賞などは「楽しむ」という共通の目的を持った人の集まりだが、そこには機能性はない。つまり、役割りも責任も時にリーダーさえ必要としない。一般的にこうした人々を【群衆】と呼ぶ。
それに対して、組織とは、同じ場所に同じ時間に集まり目的と同時に「目標」を共有しなければならない。「目標」とはそこに所属している人たちが全員理解でき、それを達成することにより次のステージを目指すことの出来る集団の約束事のことです。そしてそれは多くの場合数値化され、進捗や達成度合いが相互に確認でき、さまざまな対策が打てる機能性の源泉になります。
気をつけておかないと目的だけを共有し、目標が定まっていない企業があったりする。
「給料さえしっかり貰えればいいんだから力むことはねぇ・・・」
そうした発言をする中堅社員がたくさんいる企業を知っています。目的はあるのだが目標が共有されていないので、その企業は「組織モドキ」の状態で、ひょっとすると群衆に近い。だから他の部門が忙しくても平気で定時で帰っていくし、クレーム担当は営業だからと製造工程の見直しもしない。遅刻者も少なくなく、当日のいきなり欠勤も日常茶飯事・・・。
気をつけておかないと、組織だと思っていた集団が実は群衆に過ぎなかったりする。
組織の目的と目標の共有は大丈夫だろうか。経営計画書を作って、はい終わり、になってはいないだろうか。経営者と経営幹部の「要(かなめ)の仕事」です。