若い友人と話している時に「族」と「系」という話になりました。
ある一定の年代までは、自分たちを表現する時に「族」という表現を使いました。
古くは「六本木族」や「太陽族」。「原宿族」「モヒカン族」「窓際族」・・・。わかりやすさの極めつけは「暴走族」でしょうか。もう少し、生活に密着した表現を使えば、遺族、一族、家族、血族、親族、同族、部族、民族となります。いずれにしてもその人達が「所属」するグループを指し示す言葉が「族」です。
「最近の若者は【族】ではなくて、【系】なんだそうです」
昔風の「理科系」「文化系」「外資系」だけではなく、「ビジュアル系」「ギャル系」「デジタル系」「ガテン系」草食系」「仙人系」「肉食系」「癒し系」・・・。中には「脅し系女子」なんて表現もあるそうなのですが、何やら今風の匂いのする言葉です。
「昔は【○○族】と言って、きちんと自分や自分たちを規定できたのですが、最近は【○○系】と表現することにより、位置や立場を淡くぼやかしているようですね」
「なるほど、そうかもしれないね。はっきりと物事を表現したり、決め込んだりすることが苦手なのかもしれないねぇ」
そんな会話を交わしながら、最近の若者は「胸ぐら」を掴んだり、掴まれたりすることがあるのかどうか想像ができにくかった。他人との距離間が、昔より少し離れているかもしれない。もしかして、距離が離れているので、コミュニケーションが取れにくくなっているのだろうか。仕事とプライベートの関係も、時に曖昧になってしまうのはその淡さが原因かもしれない。
「暴走族」は困るけど、「家族」「一族」「同族」「部族」くらいは残しておきたいものです。
ちなみに「パイレーツオブカリビアン」の大ファンである私は「海族」が好きです。あれれっ?あっちは「海賊」かぁ?うーん、悩ましい。