s_写真 (1)今年の2月、博多駅の近くにある「グリーンホテル」の解体工事が始まりました。およそ10階建てのビルの解体は大掛かりなもので、なおかつ交通量の多い場所なので、フェンスの設置や安全施設の設置などはかなりレベルの高いものでした。
「解体施工技士」という資格を持っている私は、解体工事に関して素人ではありません。解体方法や想定される搬出量や、なおかつ年々厳しくなる法的要求なども十分に認識していますし、この程度のビルの解体にどの程度の費用が必要かという目安も尽きます。 長く「不景気」という言葉に支配されていた時期から抜け出たのかな、と思い始めた途端、博多駅周辺では一斉に解体工事が始まり、住んでいるマンション周辺で3棟、通勤路で2棟、事務所のあるビルの周辺で5棟解体工事が始まってしまいました。まだ「アベノミクス」という言葉が世の中に氾濫する前のことです。

 

第一次安倍政権から、福田、麻生、鳩山、官、野田とほぼ一年おきに首相が変わり続け、多くの国民や組織が思い切った判断が出来ないような状態が続いていました。そこに、選挙で圧倒した政権が出来上がった途端、今までの「我慢」が爆発してしまったかのような風景でした。解体まで行かずとも、この一年多くの建物の塗装工事も増えました。弊社の入っているビルだけではなく、周辺のビル群はいくつも足場を組み、シートで覆われて、リニューアルされました。むろん、来年の消費税導入前の駆け込み需要もあったのでしょうが、消費税導入が決定する前からこうした工事が始まっていた事実からすると、2013年は準備の期間であったことがよく分かります。
建物のメンテ、製造機械の入れ替え、業務システムの更新など、ここ数年間動けなかった部分に一気に手を付けた感じがします。逆に言えば、今年そうした準備を怠ってきた、あるいは様子見をしていた組織は「一手」遅れたかもしれません。グローバリズムが進み、ライバルが国内企業だけではなくなり、すさまじい速度で進化する情報処理システムや情報共有化システム、同時に「成熟社会」がもたらす価値観の多様化などの変化を考えれば、組織人が腕組みをして考えこむ暇などあるわけがありません。

 

そして、何よりも「人」へ投資は出来たでしょうか?
インフラやシステムは金をかければできることですが、そのインフラを使い、そのシステムを機能させるのはあくまで人間です。そして人の育成には時間がかかります。今年、もし人への投資が出来ていなければ、ひょっとすると「一手」遅れているのかもしれません。

 

2013年は「準備の年」でありました。
そして「準備のできた組織」だけが、来年駆け上がる資格を持っています。 すでに12月に入りました。今年残された期間、来年の年度末末までの時間、あるいは今期の決算までの間に、今一度組織へ問いかける必要があります。

 

「さて、準備は出来たか?」

 

弊社の近くにあった4階建てのビルは解体され、現在11階建てのビルが建築中です。数週間おきに伸ばされるクレーンの高さを事務所から確認しながら、新たな年と組織の準備について思いを巡らせています。
さて、皆様方の組織の「戦う準備」は万全でしょうか?