すでに4年を超えるお付き合いになるので、組織の在りようや社風や社員の方の顔も分かる組織です。
地方の企業は、なかなか「基準」が持ちにくいものです。
誤解を恐れずに書けば、「地域密着」と「閉鎖性」が同居していて、変化のきっかけがなかなかつかめない。比較する対象が「近所の組織」であることが多いのでなかなか必要性を感じにくい。経営者がさまざまな場所に出かけ、さまざまなことを学び、変化しようと決断するのですが、そうした目に見えない抵抗にあって、苦労をする。いっそ、都会の組織なら、比較対象組織が多いので、組織を構成する人々に「危機感」があるので、経営者の決断のスイッチが入りやすい部分もあります。
鹿児島県にある「新留土木」の新留社長様が、ご自身のブログに【幹部の成長】という文章を書かれています。「組織活性化プログラム」の最終回でもっとも議論が白熱したのが
「会議と現場(業務)のどちらかが大切か?」
というテーマでした。比較的年齢の高い幹部たちは「会議」であり、若い幹部たちは「現場(業務)」と答えました。こうなると、なぜ相反する意見が出てくるのか。何か、「会議」に問題があるのではないか?「組織内部」に問題はないか。「意識」に課題はないか。「仕組み」に不具合はないか・・・・。
「組織活性化」が進んでいる組織なので、最初のテーマを決めるところまで参加するだけで、あとは自分達で「自発的に」(勝手に?)議論が進み、交わされる言葉が鋭さを増し、組織の「本質」にぐいぐいと迫る。そうなると、組織が円滑に動いていない「理由」が次々に明らかになっていく。
今回、社長様は随分我慢されました。いい意味で「南九州男児的気質」にあふれた社長にとっては、少々胃が痛くなる時期があったのではないでしょうか。それはそれで大いなる「社長の成長」でありました。社長が成長すると、「幹部が成長」する。幹部が成長すると「組織が成長」する。
「組織の成長」のプロセスを3ヶ月間そばで見続けてきました。12月には「社員教育」の場で、そのプロセスの背後にある「幹部の呻吟」と「社長の我慢」について講演させてもらう予定となりました。