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企業の寿命は23.6年? 〜危機意識の共有〜

    企業の寿命は23,6年

    〜危機意識の共有〜

     

    15年ほど前、コンサルタントとして独立をして自分なりの勉強をしていた時、様々な資料で「企業の寿命は30年」という文言を目にしていました。なるほど、時代変化が早いので対応できなくなる期間がそれくらいなのかと思っていました。

    しかしながら、今はそれよりももっと速いスピードで経営環境が変化します。何しろこの15年の間に情報インフラとグローバリスムがどれほど進んだことか・・・。

    昨年6月にメルマガに書いた文章ですが、再掲します。

    (20歳の人が残り45年働く時、30歳の人が残り35年働く時。企業の寿命を考えておかないと大変なことになります。特に若い人たちが自分のスキルを磨いておかなければならない理由は23.6年という数字にあります。

     

    企業の寿命は?

     

    こんにちは、戸敷進一です。

    個人的なことながら、3月以降、立て続けに身内や親しい人の死去があって、先週ようやく身内の「50日祭(神道)」が終わりました。普段暮らしているのが「博多」で、自宅は「宮崎」です。片道370Kmの距離をここ3ヶ月の間に30回ほど往復しました。若い頃ならなんということない距離と回数ですが、さすがに堪える3ヶ月でした。

    若い頃の葬儀は、どんなに身が近くても「傍観者」に近いところがあって、単純に悲しんでいればいいのですが、さすがにこの年令になると「当事者」ですから、入院、介護から死去、通夜、本葬、納骨、初七日と続き、それに伴う事務手続きなど思いもよらぬ煩雑さに驚いたりしました。歳を取るということの意味を改めて思い知った3ヶ月でした。

     

    さて、2013年に倒産した企業の創業年数の平均は「23.6年」でした。(東京商工リサーチ調べ)

    20年ほど前まで企業の寿命は30年と言われていたのですが、一気に短くなってしまいました。時代変化が大きく速いので「商品」や「サービス」が驚くほど早く時代ニーズからはずれてしまっています。Windowsパソコンが日本で爆発的に売れ始めたのは1996年のことでした。以来わずか18年間で「デスクトップ」から「ノートパソコン」「タブレット」「携帯端末」と劇的な変化が進み、それに伴い「商品」や「サービス」の有り様も変化しています。さまざまな市場で「形態」や「手法」が変わっているので、消費者のニーズもすさまじい速度で変わると同時に、グローバル化の波が重なっています。これからますますそうした速度が上がり、この企業の寿命も短くなっていく傾向は避けられないかと思われます。

    企業の寿命と同じく、企業数の変化も大きいようです。

    2012年に政府が実施した「経済センサス・活動調査」の結果をもとに集計した日本の企業数は420万社でした。これが2012年の調査では385万社まで減少しています。つまり3年間で35万社が消滅しているので、単純計算で1日に「319社」がなくなっている計算になります。地域によっては人口減少による消費の低迷があり、また後継者難から自主廃業を選択する企業も少なくないという話を聞きます。弊社のクライアント先でもここ数年、経営者の娘に当たる人物の社長就任が続いているのは、社内の人間に継承を依頼できない実態を示しているのかもしれません。これもまた時代変化と無縁ではない傾向と数字です。

     

    日本国内における「大企業」と「中小企業」の比率は【0.3:99.7】です。つまり企業の99.7%は中小企業です。

     

    大企業の定義は

     

    ①資本金の額又は出資の総額が3億円を越え、かつ常時使用する従業員の数が300人を越える会社及び個人であつて、製造業、建設業、運輸業その他の業種に属する事業を主たる事業として営むもの

    ②資本金の額又は出資の総額が1億円を越え、かつ (and) 常時使用する従業員の数が100人を越える会社及び個人であつて、卸売業に属する事業を主たる事業として営むもの

    ③資本金の額又は出資の総額が5000万円を越え、かつ常時使用する従業員の数が100人を越える会社及び個人であつて、サービス業に属する事業を主たる事業として営むもの

    ④資本金の額又は出資の総額が5000万円を越え、かつ常時使用する従業員の数が50人を越える会社及び個人であつて、小売業に属する事業を主たる事業として営むもの

     

    で、これに該当する企業は全体の「0.3%」に過ぎません。つまり、中小企業は大手の真似をしてはいけないのです。

    創業年数、企業消滅数、中小企業数などを知れば、日常の活動や普段の教育訓練をどのように行わなければならないかのが見えてきます。来月からの「とじき塾」では、3ヶ月に渡り「入社5年目までの社員対象」「中堅幹部対象」「経営幹部対象」の教育訓練に関する経緯集を行います。こうした数字も研修の中に織り込みつつ、「課題」や「危機」に関する共有化を図りたいと考えています。ぜひ多数のご参加をお待ちいたしております。

     

    戸敷進一でした。

    今週もお元気で。

     

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