5S活動

5S活動は組織活性化の入り口

    「5S活動」とは、「整理・整頓・清掃・清潔・躾(しつけ)」という5つの要素を効果的に組織内に落とし込み、大きな時代変化の中で勝ち残っていくために行う【全社的取り組み】のことです。

    「片付けたくらいで会社が活性化するか?」などという言葉がどこからか聞こえてきそうですが、なかなかどうして、これをある程度まで仕上げるとかなりタフな組織になります。

    何しろ組織はさまざまな世代や立場で構成されているので簡単に「全社一丸」になる事ができません。当然価値観や危機意識の有り様が違うので、単純に片付けと考えてしまうと一切効果を生み出さません。年末の大掃除や盆前の掃除が三週間で元に戻ってしまうのは単なる片付けをやっているからです。

    それに対して「5S活動」は、組織運営のシステムツールです。整理という不要なものを捨てるという活動で共有されるものに対する価値観。整頓・清掃という表示や点検保守活動という継続を生み出す仕組。何よりも、顧客や働く人たちが評価する清潔、そして共通の目的や目標に向かって全員が躾けられている状態。そうしたものを構築する中で、時代に合った組織イメージを組織の末端を含んだ全員で共有することが出来ます。

     

    組織存続の三条件

    組織が存続するために必要な三要件は、

    • 目的と目標の共有
    • コミュニケーション
    • 貢献意欲

    です。経営計画での目標の確認、会議等におけるコミュニケーションの確立、経営方針などから要求される貢献意欲などどこの会社でもやっていることかもしれません。しかしながら従来の形の多くは上から下へという業務の流れと同じ「命令」という性質を持っています。それに対して「5S活動」は、それぞれの構成員が全社と部分(部署)を意識しながら、下と横の活動になります。機械の位置や通路はこれでよいのか?机の配置や印刷機の位置は?書類の数量や保管場所は?倉庫の佇まいと適正在庫とは?店舗の有り様や社有車の清潔度は?・・・。こうしたことを「全員で考え」「全員で動く」事により、目標の共有やコミュニケーションの質や本来の役割分担を考えるきっかけを得ることができます。

     

    世界一の企業を目指す!

    社会が成熟し、価値観が多様化した現代において、組織の中で考えておかなければならないことは「世代間の意識格差」と「セクショナリズムの存在」です。本来仲間であるべき組織で意識のばらつきがあったり、部門間でのリレーションがうまくいかない姿をよく目にします。先日も工場の「5S」はできているのに事務所の様子がとてもおかしい組織を見かけました。相当な部門間のばらつきや意識の不統一を感じたのですが、これでは時代変化について行っているとはとても言えません。

    「世界一の企業を目指す!」というスローガンを掲げ組織活性化に取り組み始めた組織があります。「社会人として責任ある発言と行動を!」というテーマで動いている組織があります。北海道のある組織のスローガンは「世界のコマツを驚かす!」です。

    こうした明確なスローガンを掲げ、時代に合った組織作りを全力で進めている企業組織は少なくありません。

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